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  1. 福岡県議会 2020-02-09
    令和2年2月定例会(第9日) 本文


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-07
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(栗原 渉君) ただいまから本日の会議を開きます。 *議案上程  このたび、知事から第六四号議案「令和元年度福岡県一般会計補正予算」外二十二件がお手元配付のとおり提出されましたので、これを日程に追加し、一括報告上程いたします。      ──────────────────────────────────────────  第六四号議案  令和元年度福岡県一般会計補正予算(第五号)  第六五号議案  令和元年度福岡県財政調整基金特別会計補正予算(第一号)  第六六号議案  令和元年度福岡県公債管理特別会計補正予算(第一号)  第六七号議案  令和元年度福岡県市町村振興基金特別会計補正予算(第一号)  第六八号議案  令和元年度福岡県国民健康保険特別会計補正予算(第一号)  第六九号議案  令和元年度福岡県災害救助基金特別会計補正予算(第一号)  第七〇号議案  令和元年度福岡県県営林造成事業特別会計補正予算(第一号)  第七一号議案  令和元年度福岡県小規模企業者等設備導入資金貸付事業特別会計補正予算(第一号)  第七二号議案  令和元年度福岡県公共用地先行取得事業特別会計補正予算(第一号)  第七三号議案  令和元年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計補正予算(第一号)  第七四号議案  令和元年度福岡県流域下水道事業特別会計補正予算(第二号)  第七五号議案  令和元年度福岡県住宅管理特別会計補正予算(第一号)  第七六号議案  福岡県防災・行政情報通信ネットワーク再整備事業の経費の負担について  第七七号議案  空港整備事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第七八号議案  独立行政法人水資源機構筑後川下流用水施設の管理業務に要する経費の負担についての議決内容の一部変更          について
     第七九号議案  農業農村環境整備事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八〇号議案  県営土地改良事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八一号議案  県営林道開設事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八二号議案  漁港関係事業の経費の負担について  第八三号議案  港湾関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八四号議案  街路関係事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について  第八五号議案  海の中道海浜公園事業の経費の負担について  第八六号議案  流域下水道事業の経費の負担についての議決内容の一部変更について      ────────────────────────────────────────── 2 ◯議長(栗原 渉君) この際、知事から提案理由の説明を求めます。小川知事。 *知事提案理由説明 3 ◯知事(小川 洋君)登壇 本日、追加提案をいたしました議案は二十三件でございます。その内訳でございますが、令和元年度補正予算議案十二件、経費負担に関する議案十一件でございます。  まず、予算議案につきまして御説明申し上げます。  今回の補正予算は、年度内に措置をする必要がある経費を補正するものであります。  補正予算の額は、一般会計で三百四十一億三千百万円余を減額し、特別会計で七十五億七千四百万円余を増額いたしております。その結果、令和元年度予算の総額は、一般会計で一兆七千九百二十三億二千七百万円余、特別会計で九千五百七十八億九千三百万円余となっております。  一般会計におきましては、地方消費税の減収に伴い、県税及び地方消費税清算金が見込みを大幅に下回ったことから、歳入を三百八十六億円減額いたします。  歳出予算につきましては、障がい児施設給付費、措置費を初めとする社会保障費などについて増額する一方、年度内の所要額がほぼ確定した災害復旧費について減額するとともに、経費の節減に努めた結果、三百四十一億円の減額となりました。これらの結果、四十五億円の財源不足が生じたため、やむなく同額を財政調整基金から繰り入れ、収支の均衡を図っております。  以上が補正予算の概要であります。  経費負担に関する議案は、福岡県防災・行政情報通信ネットワーク再整備事業外二件について市町村等の負担すべき金額を定めるもの、及び空港整備事業外七件について議決内容の一部を変更するものであります。  以上、提出議案の概要について御説明申し上げましたが、いずれの議案も県政運営上緊要なものでありますので、慎重御審議の上、議決くださいますようお願いを申し上げます。 4 ◯議長(栗原 渉君) 知事の説明は終わりました。  日程に従い、代表質問を行います。順次発言を許可いたします。新開昌彦君。(拍手) *新開議員質問 5 ◯七十二番(新開 昌彦君)登壇 おはようございます。公明党の新開昌彦でございます。通告に従いまして、公明党福岡県議団の代表質問を行います。  去る一月二十六日でございますが、公明党の創立者であります創価学会の池田名誉会長が、「人類共生の時代へ 建設の鼓動」と題する平和提言を発表されました。大きく三本の柱を立てて、グローバルな視点に立ちまして、具体的な行動提言を行われております。今回、私はこの提言の、誰も置き去りにしない、弱者の側に立つという精神性に基づいて、福岡県政の課題について質問させていただきます。  まず、新型コロナウイルス感染症対策についてお聞きします。昨年十二月、中国湖北省武漢市を発生源とする新型コロナウイルス感染者が世界中に広がり、WHOは二月二十八日、危険性評価を非常に高いに引き上げました。しかし、感染拡大を抑えることは可能として、各国の対応を急ぐように求めています。私たちが通常風邪と呼んでいるものの九割はウイルスであります。その種類は二百以上あり、コロナウイルスはその一種であります。私たちは、毎年国内で一千万人が罹患し、約一万人が亡くなっているインフルエンザには冷静に対処しております。今回の新型コロナウイルス感染症に対しましても、正しく恐れて、県民に安心感を持たせ、冷静な対応ができるよう対策を講ずるべきというふうに考えています。ただ、致死率は高いわけでございますので、警戒が必要であります。  まず、重症化対策について伺います。本県の感染者は、二月二十日以降、福岡市の二人、北九州市の一人です。全国的にも感染経路がわからない感染者が増加しております。中でも重症化しやすい高齢者を初め高血圧や糖尿病、心臓病、妊婦は特段の警戒が必要と言われています。知事にこれまでの検査の実績と今後の重症化し得る県民を早期に治療につなぐための検査体制と医療体制について答弁を求めます。  次に、中小、小規模事業者についての支援について伺います。本県の製造業、観光業、飲食業等、特に中小、小規模事業者に影響が出ています。金融や労働に関する相談支援について知事に答弁願うとともに、事業者の声を聞く体制についてもお聞かせいただきたい。  政府から学校の休業要請が出て、現場は一時混乱をいたしました。私もここ数日でさまざまな相談を受けました。以下、知事、教育長にお尋ねをいたします。  まず、県は、県の施設を利用する予定になっていた県民が、予定をキャンセルした場合、三月二十日までであれば使用料は返却するとしておりますけれども、学校の休校が原因で、四月の発表会を中止するような場合も同様の措置をとるべきだと思いますが、知事の答弁を求めます。  教育長に二点お聞きします。まず、学校に行かない期間が、春休みを合わせますと一カ月以上になります。新年度不登校生徒が出ないよう手だてを講ずるべきと思いますが、お答えください。  また、最後に、給食に食材を供給している零細業者に対する配慮、これも必要だと思いますが、教育長の答弁を求めます。  次に、気候変動と災害対策について伺います。二〇二〇年代は新たな時代の幕あけと言われています。それは、特に未来への責任として持続可能な世界を残すために、人類社会が抱える課題を包含した国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGs、そして地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が、いずれも二〇三〇年を目標達成年次としているからであります。国連のグテレス事務総長は、気候変動問題を、私たちの時代を決定づける問題と警鐘を鳴らしたように、今回国際社会はこの危機感を共有しながら、持続可能な社会の構築へ、ともに行動を起こし始めようとしています。  温暖化の影響は、よく知られている例として、フィジー共和国マーシャル諸島共和国など、高波被害が大きくなり、海水が住宅や田畑に侵食し、住民に大きな被害が出ていることは、皆さん御存じのとおりであります。日本でも海面が一メートル上昇すれば、東京の墨田区、江東区、大阪も堺市を含む海岸線はほぼ全滅すると言われてきたことが現実味を帯びてきたということであります。私たちは危機感を持って対処しなければならないと思います。  異常気象については、本県でも二年連続して記録的な豪雨に見舞われ、甚大な被害があり、来年度予算にも災害復旧の予算が計上されています。また、昨年の記録的な大型台風十五号、十九号は、北日本、東日本を襲い、河川の決壊、氾濫被害が起こり、多くの人命が亡くなりました。さらに、関東では長期、広域にわたる停電も経験をいたしました。ことしに入って温かい天候が続き、一月にもかかわらず、大分県と宮崎県で百二十ミリの豪雨で土砂崩れや道路の陥没などの被害が出ました。ことしもどこかで異常気象による被害が出るのではないかと不安な気持ちでいるのは私だけではないと思います。  私たち公明党福岡県議団は、温室効果ガスの削減と再生可能エネルギーの促進について、国会議員と連携して六年間調査活動を行ってまいりました。国は、再生可能エネルギーを主力電源として位置づけました。今後北九州市では海洋風力発電が開始され、本県もバイオマス発電を促進するなど、再生可能エネルギーの開発がさらに進みます。しかし、九州では太陽光発電で起こす電力は、既に九州電力が出力抑制をするまでになっています。再生可能エネルギーは不安定であり、促進のためには蓄電の技術開発が大きな課題なのであります。  先日、我が会派は、経済産業省から全固体電池の説明を受けました。耳なれない言葉でありますが、画期的な充電可能な電池が開発されております。ノーベル化学賞を受賞した吉野彰博士が、充電可能な電池としてリチウム電池を開発されましたが、リチウム電池は発熱する、大型で重い、長時間の充電が必要という弱点があります。ことしトヨタ自動車から全固体電池搭載の電気自動車が登場するようであります。充電時間は五分程度、長距離の走行が可能で、発熱の危険性がないとお聞きをしました。全固体電池が一般化すれば、私たちの生活はもっと便利になることでしょう。  私は、もう一つの蓄電技術を知るために、先日九州水素・燃料電池フォーラムに参加をしました。水素研究の世界最先端を走る九大の佐々木一成教授や東京工業大学の岡崎健特命教授など、六名の方々から再生可能エネルギーの多様な活用を見据えて、大変興味深い講演がありました。その中で、既にドイツやデンマークでは、水素をためて移送する配管が、もう張りめぐらされているという事実、中国では二〇一七年から二年間で三・五兆円の予算をかけて水素研究が始まっていて、燃料電池を使った列車やトラックの実現を目指し、さらに鉄鋼などの工場にも水素エネルギーを活用しようと研究が始まっているとお聞きしました。水素社会の実現は、化石燃料から脱却するエネルギーの革命だと言われています。しかも、水素エネルギーの活用は、パリ協定実現の大きな要素とされているということも知りました。  私は、福岡県の水素社会に対する具体的な取り組みを大変誇りに思っております。しかし、福岡県の第二期人口ビジョン・地方創生総合戦略には、第一期総合戦略にSDGsの考え方を踏まえたと記しておりますが、環境やエネルギーの成果の部分を拝見いたしましたけれども、もっと胸を張り、夢と目標を書くことができるはずだと、じくじたる思いをいたしました。福島県も二〇三〇年に県内エネルギーの四〇%、四〇年ごろには一〇〇%相当を再生可能エネルギーで生み出すと公表して、水素研究を加速しています。  知事に伺います。まず、知事はパリ協定の実現に向けて、国連が示した温室効果ガスゼロの提言について、どのような認識をお持ちでしょうか、お答えください。  次に、知事の水素社会実現への決意をお示しください。  次に、提案でありますが、県のホームページに水素社会に向けたページを設け、その進捗を見える化してはどうでしょうか、お答えください。  次に、私は一昨年、九電の関門連系線が能力の半分しか使われていないことを指摘し、再生可能エネルギーの出力抑制の対策として、関門連系線を使えるように質問をいたしました。知事は、国に要望すると答弁をされましたが、その後の進捗をお答えください。  次に、防災対策についてお聞きします。先ほども述べましたとおり、異常気象が地球の至るところで、日本のどこかで起こっています。インフラも耐えられなくなっています。公明党福岡県議団は、二〇一一年、東日本大震災以降、防災対策の基準を、その地域の最悪の値に設定をして、防災対策の見直しをすべきと訴えてまいりました。国は、二〇一五年一月、津波対策に続いて洪水、高潮についても、いまだ経験したことがない規模の災害から命を守り、社会経済に壊滅的な被害が生じないようにするために、新たな基準を設け、高潮浸水想定区域図を策定するよう決定をしました。本県も一昨年三月に玄界、昨年十二月に豊前海、有明海について公表いたしました。また、一昨年九月の代表質問で、私はダムの緊急放流で被害を出さないために、ダムの利水のルールを見直し、事前放流をすべきと提案をいたしました。知事は国の動向を見て研究すると答弁されましたが、昨年十一月、国はダムの事前放流に利水分も着手すると方針を示し、ことしの六月から運用を開始することになりました。  知事に何点か質問いたします。まず、本県の高潮浸水想定区域図が出そろいましたけれども、県民の具体的な防災対策に活用するためには、市町村が作成するハザードマップの作成を急がなければなりませんが、その進捗状況をお答えください。  次に、ダムの事前放流のための運用の見直しについて、県はどのように検討されているのかお答えください。  次に、マイタイムラインの作成であります。マイタイムラインとは、いざというときに慌てることがないよう、避難に備えた行動を一人一人があらかじめ決めておくものであり、大変重要であります。しかし、住民はつくり方がわからず、なかなか進まないのも現状であります。  そこで提案であります。県内には五千百六十二人の防災の専門知識を持った防災士がおられます。県の計画では、今後防災士をふやしていく計画と伺っております。これら防災士の皆さんのお力をかり、住民がマイタイムラインを作成できるようにしてはいかがでしょうか、お答えください。  次に、防災工事について伺います。先ほど気候変動のくだりでも申し上げましたが、国際社会は、今産業革命に比べ、世界の平均気温の上昇を二度未満、できれば一・五度未満に抑えることを目標にしています。国交省の試算によると、二度に抑えても河川流量は一・二倍、洪水発生頻度は二倍になるとしています。国は、防災のためのインフラの強靱化について、河川のしゅんせつ、掘削、堤防の強化、雨水の貯留などを挙げております。今後の防災のための河川の強靱化の取り組みについて、知事のお考えをお聞きします。  次に、国の来年度予算案に緊急浚渫推進事業費が創設をされておりますが、県としてどのような対応を考えておられるのかお答えください。  次に、環境面からの防災についても伺います。昨年八月九州北部を、記録的豪雨が佐賀県を襲いました。その際、大町町の鉄工所の油が流出し、周囲の住居、田畑が被害を受けました。佐賀県には全国からさまざまな油除去の方法が提案されたとお聞きしました。私も、自衛隊が使用している油除去の方法を提案いたしましたが、佐賀県の現場では実験する時間も、人もいないために活用できませんでした。しかし、私は、被害に遭った農家の方が、来年の米作は諦めましたという記事を見たときに胸が痛くなりました。私は、日ごろから環境保全の観点からさまざまな知見を集めていく努力が必要だと思いました。九州では、各県の環境部が災害対応のために、平時から情報交換をしているとお聞きしています。本県にも県庁内横断的な環境対策協議会があります。知見さえあれば活用できる会議体は既にあるということであります。  知事に伺います。油対策についてでありますが、災害のたびに海岸や河川、農業用ハウスを汚している映像を目にします。本県に存在する油除去の技術を平時に検証し、いざというときには全九州に発信できるよう備えてはいかがでしょうか、お答えください。  次に、共生社会について伺います。今回我が会派では、人権と東京五輪と題して調査を行いました。今回の東京オリンピックパラリンピックのテーマの一つに共生社会の実現があります。私たちは、この大会が人種やヘイトスピーチ、LGBT、障がい者等に対する不当な差別を解消、軽減させる絶好のチャンスになると捉えました。そして、県民の意識を探るためインターネット調査グループインタビューを行いました。その結果を簡単に報告いたします。  インターネット調査は、本県にお住まいの男女、十八歳から六十九歳の二千人に実施をいたしました。グループインタビューは、本県にお住まいの男女二グループにお聞きしました。調査内容は、一、人権、二、外国人に対する差別や偏見、三、障がい者に対する差別や偏見、障がい者スポーツ、四、東京オリンピックパラリンピックの四つの項目で実施をいたしました。  一の人権につきましては、基本的人権が憲法で保障されていることは九割が認識をしておりますが、人権を侵害されたと回答した数は半数を超えて、人権課題が取り上げられる頻度も減少しておらず、課題の解決には至ってない、そう思われました。  二の外国人に対する差別や偏見については、あると思うが六割を占めておりますが、身近な外国人がいる層では改善をされているというスコアが高い傾向値にありました。また、外国人が不利益や不便を受けるべきではないとの意見は多数を占めておりました。外国人に対する差別や偏見をなくすためには、外国人と県民の交流機会の増加、外国人が差別等を受けた際の相談体制の充実等、県民と外国人の相互理解を深めていくための機会創出を行政に期待をしておりました。  三の障がいがある人に対する差別や偏見は、あると思うが七割を占め、差別や偏見は改善されていないが四割を占めていました。改善されているを上回っており、課題が確認をされました。一方、障がいに関する施設や条例、法律の認知率は二割と大変低く、障がい者支援マークの認知も、目に触れる頻度が多いマーク、例えば国際シンボルマークの車椅子は広く認知をされておりますが、ヘルプマークの認知度は二割と低いスコアでありました。各障がいへの理解度や経験は、見た目で障がい者とわからない場合、気づけない、思いが至らない場合もあり、個人差が大きい、そのような形でありました。障がい者スポーツの捉え方や印象は、感動するなどポジティブに評価をされており、障がいがない人と一緒に楽しめるスポーツイベントや機会があるとよいも三割を超えています。行政の取り組みとして、メディアに取り上げるなど啓発活動、障がい者のためのスポーツ大会の増加などが期待をされておりました。  四の二〇二〇東京オリンピックパラリンピックについては、東京パラリンピックは、オリンピックに比べやや関心が低い点が課題であります。事前キャンプ地に選ばれた後の効果として、知名度のアップ、インバウンドやリピーターの増加、スポーツへの関心の高まりが行政に期待をされています。さらに、東京オリンピックパラリンピックの終了後に期待する変化として、障がいがある人及び外国人の共生意識の高まりが期待をされております。  以上の調査結果を踏まえ、知事、教育長に質問をいたします。  本県では、事前キャンプ地に世界二十八の国と地域を、県内十二の自治体で受け入れています。例えば、田川市はドイツの車椅子フェンシングチームを受け入れ、これを機に体育館の段差解消やパラ競技ブラインドサッカーを全小学校で体験してもらうなど、ハードとソフト面、両面でバリアフリー化を進め、障がい者スポーツ推進都市を目指すとお聞きをしています。大変すばらしい取り組みと思います。  まず、共生社会を目指す福岡県は、オリンピックパラリンピック後の遺産として、ハード面、ソフト面で何を残そうとするのかお答えください。  次に、障がい者アスリートの育成、振興について伺います。スポーツ振興の成功事例は、昨年のラグビーワールドカップが実証を示しました。ワンチームという流行語大賞が生まれ、欧米豪の訪日客の滞在日数の長さ、経済効果にも目をみはるものがありました。また、障がい者スポーツは、先ほど紹介した調査でも、県民は感動するなどポジティブに評価をしています。本県の予算案にはトップアスリートの育成、大規模スポーツの大会の誘致、開催に備えるためとしてスポーツ推進基金を設けるとしています。私は、障がい者のトップアスリートの育成や大会についても同様に考えるべきと思いますが、知事の見解を求めます。  次に、障がい者スポーツの広報、教育についてお聞きします。私は、先日大分県で行われた九州各県議会議員交流セミナーに参りました。その際、スポーツ成長産業化と地方創生と題し、大谷友男九州経済調査協会調査研究部次長の講演がありました。その中で、スポーツを成長産業とするためには、コーディネーターの発掘とその支援が必要と指摘をされていました。  先日、私はパラリンピック障がい者卓球の立石イオタ良二広報部長にお会いしました。福岡県出身で三十五歳の青年であります。将来が楽しみな有能なコーディネーターになると思います。立石さんは、障がい者スポーツを観戦したことがあるという人は一%にすぎません。そして、かわいそう、大変そうというネガティブなイメージが先行しています。パラ卓球でも選手の歩んできた努力や流した涙があります。このことがパラリンピアンとしての魅力だと思う。私たちは、どうやって健常者におもしろい、楽しそうと思ってもらうか考えました。そして、パラリンピアンが卓球台をどんなふうに見えているのかを視覚化して、ガイドブックと卓球台にあらわしてみました。とても斬新的なものができ、昨年は広告の最高峰であるカンヌ国際クリエイティブ・フェスティバルでグランプリをとり、アジア、そして日本でも賞をいただき、これまで二十三個の栄誉にあずかっています。自分はこのパラ卓球ガイドブックや卓球台を使って小中学生、高校生などにパラリンピアンの魅力を感じてほしいと提案し、活動していますと熱く語られておりました。  提案でありますが、子供たちにパラ卓球の楽しさやパラリンピアンのすごさを伝えるために、パラ卓球協会の広報部が受賞した代表選手や卓球台が掲載されているパラ卓球ガイドブックを小中学校、高等学校において活用できないか、教育長にお尋ねいたします。  さらに、障がい者スポーツの楽しさなどを伝えるコンテンツの一つとして活用してはどうでしょうか、知事に伺います。  次に、発達障がいの早期支援と地域での連携について伺います。発達障がいの支援のためには早期の発見が必要でありますが、乳幼児期には気づきにくいのが実態であります。しかし、気づきがおくれれば、子供の学習機会や社会性の構築、就業機会など、本人の損失になるのはもちろん、親の不安や負担、保育や学校の現場での職員や他の児童への影響など、周囲や地域にとっても大きな損失につながります。このため、発達障がいの早期の気づきと早い時期での支援の開始が必要とされております。  こうした取り組みを進めている糸島市の発達障がい等支援糸島プロジェクトについて、先日公明党県議団で学びに行ってまいりました。同プロジェクトは、糸島市が市町村合併をする前の一九九九年から、前原市、志摩町、二丈町の一市二町と九州大学が合同して構築してきた実践型プロジェクトであります。プロジェクトは、発達障がいのある子供を生涯にわたって支援するため、子供、保護者のほか地域住民や行政、多職種の専門家が参加をし、みんなで応援団をつくり、発達障がいとかかわっています。多職種の専門家とは、保健、福祉、医療、教育、研究機関の各部門で、具体的には保育士、保健師、幼稚園教諭、小中学校教諭、特別支援学校教諭、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、教育、福祉の行政職、医師、社会福祉士、臨床心理士、NPO、大学、研究所の研究者、学生ボランティアなどであります。  取り組みの始まりは、発達障がいの乳幼児の早期発見と早期支援ができるシステムを求めていた同地区と、社会的認知の初期発達に取り組んでいた九州大学発達心理学研究室との出会いでありました。両者は、糸島地区の旧一市二町で二〇〇〇年、二〇〇一年に出生した子供千九百二十三人全員を対象にコホート調査を開始をしました。生後八カ月から十八カ月の第一次調査、三十六カ月の第二次調査、五歳の第三次調査、七歳の第四次調査を、それぞれアンケートにより実施し、発達障がいの確定診断が下った子供の初期の兆候を、過去のアンケート調査に従って調べました。この結果、コミュニケーションの発達過程において、九カ月から十カ月にかけて子供は急激な発達を遂げることが判明し、このときの発達の崖をうまく登ることができない子供が発達障がいにつながることが判明をいたしました。  この調査結果をもとに、糸島市は、現在一歳六カ月健診において、言葉、コミュニケーションに関するアンケート調査を行い、早期発見と早期支援につなげております。その後は、保育所、幼稚園での巡回相談、就学時健診での関係機関によるスクリーニング強化と連携、就学移行の支援、小中学生の来室相談と巡回相談、個別の教育支援計画の作成、就労支援にまでつなぐとともに、公開講座等を通して発達障がいの理解と支援を広く一般に深める発達コロキウムなども実施をしております。行政の垣根を越えた、まさにみんなで応援団であります。  私たちは会派として、これまで幾度となく発達障がいの支援の充実を訴えてまいりました。中でも、早期発見が大事であることを強調してまいりました。発達障がい等支援糸島プロジェクトの取り組みは、発達障がいが一歳未満で明らかになること、地域全体で支える体制をつくることなど、実に驚きでありました。  そこで知事に伺います。発達障がい等支援糸島プロジェクトは、発達障がいのある子供の子育てについて、親や教師など特定の人にだけ任せるのではなく、地域を含めてみんなで応援団としてかかわっていこうというものであります。発達障がい等支援糸島プロジェクトについて、知事はどのように評価をしているのか伺います。  次に、これまでの私たちの質問に対し、県は発達障がいの早期発見は難しいとの答弁に終始をしてきました。子供のコミュニケーション発達に関する九州大学によるコホート研究について、知事の認識はどうか伺います。  県内の多くの市町村が、発達障がいのある子供の療育や教育について悩んでいます。糸島市と全く同じ取り組みはできないかもしれませんが、糸島市のプロジェクトは大いに参考になると思います。これまで県として、糸島プロジェクトについて、県内市町村に紹介する機会はあったのかお聞きします。  また、今後糸島プロジェクトを参考に、発達障がいの問題に取り組む市町村がふえるよう、県として働きかけが必要と思いますが、知事の御所見を伺います。  発達障がいのある子供を療育、育成していくためには、糸島プロジェクトのように地域全体の連携が不可欠と思います。県の施策として発達障がいの子供と地域との連携をどうしていくのかお尋ねをいたします。  最後に、教育長に伺います。糸島プロジェクトは、発達障がいのある子供を生涯にわたって支援するものでありますが、中でも、就学前と小中学校、高校、専門学校、大学など、就学中の支援は非常に大切であります。同プロジェクトの小中学生の来室相談であるみなかぜ相談は、教諭とともに臨床心理士が毎週二日間相談を受けております。また、みなかぜ相談に来られない小中学生に対しては、学校での巡回相談を行っています。こうしたきめ細かい支援策が県内全ての学校において実施されることが望ましいと考えるものですが、教育長の見解をお示しください。  次に、健康寿命の延伸対策についてお聞きします。知事は、平成三十年にふくおか健康づくり県民会議を立ち上げました。本県の健康寿命は、男性が七十一・四九歳で全国四十位、女性が七十四・六六歳で同じく三十位、どちらも下位でありました。知事は、健康で長生きするためにさまざまな分野の方々に集まっていただき、会議を立ち上げ、事業を開始をされています。我が会派も健康寿命を延ばし、人生を楽しく暮らしたいという趣旨は大いに賛成であります。ぜひ知事には強いリーダーシップを発揮していただきたいと望んでいるところでございます。私たちも県民の健康長寿を延伸するために全力挙げていきたいと決意をしております。私たちは、健康寿命を延ばすために生活習慣病に取り組むことが重要と考えています。今回は、高血圧対策に絞って、知事、教育長にお尋ねします。  介護が必要となる主な原因は脳卒中、心疾患であります。私たちは高血圧、減塩対策に対する取り組みが必要だと思い、先日製鉄記念八幡病院に土橋卓也理事長を訪ねました。土橋理事長は、日本高血圧学会の理事、減塩委員会の委員長でもあります。私は、土橋理事長に、イギリスの取り組みは、国を挙げて八年かけて、主食のパンの塩分を二割減らし、国民の脳卒中、心疾患患者を四割減らすことに成功しました。国民は全く我慢することもなく、自然と減塩のパンになれていった。イギリス国民はイギリスのパンはおいしいと言います。このような取り組みが日本でもできないでしょうかと尋ねました。土橋理事長は、イギリスのように国を挙げて減塩の取り組みをすれば、数年で医療的な効果があらわれると常々申し上げております。しかし、人間の脳は、生きるために塩分を取り込むようにシステム化されていて、いきなり塩分を全てカットすると禁断症状が出ます。日本の食生活は和洋中さまざまですので、イギリスのパンのようにはいかない。日本人の勤勉性に視点を置いて、国民が血圧に興味を持ち、学校の教育にも取り上げ、社会全体で取り組めば、すぐに結果は出るとおっしゃっていました。さらに、国はことし一月から加工食品の塩分表示を塩分量としてグラムで表示をすることになりました。これは一歩前進ですともおっしゃっていました。  ふくおか健康づくり県民会議の議長でもある小川知事に、何点か質問をいたします。まず、県民の減塩意識を高める取り組みとしてであります。県は、国民健康保険KDBシステムを活用して、昨年三月に市町村保険事業への支援事業の実施報告書を公表しておりますが、土橋先生は、脳卒中や要介護の要因となる危険因子などの実態を市町村に示して、市町村はその実態をもとに、ハイリスクアプローチを実施すれば、すぐに医療、介護での成果が出ると言われています。また、成果が出れば、県内市町村に取り組みの横展開がしやすくなりますよともおっしゃっていました。  そこで、県内市町村がハイリスクアプローチを実施できるように、KDBシステムを活用し、県が高血圧について、市町村の実態を見える化してはどうでしょうか、知事の見解を求めます。  次に、高血圧ゼロのまちモデルタウンの支援について伺います。高血圧学会は、ことし高血圧ゼロのまちモデルタウンを募集しています。県としても高血圧学会と協力し、モデルタウンの実績などをふくおか健康づくり県民会議やホームページで広報してはどうでしょうか。また、県内市町村において特定健診の際に、独自に食塩摂取量を計測しているところもあるようでありますが、これらについても情報提供してはどうでしょうか、あわせてお答えいただきたい。  次に、減塩商品の推奨、広報について伺います。以前私は、減塩ラーメンやうどんを企業に働きかけてはどうかと提案したことがありましたが、減塩したらまずくなりますし、売り物にはなりませんと笑われました。しかし、高血圧学会減塩委員会は、おいしい減塩食品の開発を企業に働きかけ、実食して認証しています。例えば、ふくやのあじわい明太子は四〇%の減塩、マルタイ棒ラーメンは二〇%の減塩に成功しています。このほか減塩食品は全国に百五十品目、年商三百五十億円になっていることを教えていただきました。私も、あじわい明太子と通常のめんたいこを食べ比べましたが、どちらが減塩しているのかわかりませんでした。おいしい減塩食品をさらにふやし、企業のモチベーションを上げるために開発に努力している企業や商品をふくおか健康づくり県民会議で公表し、県のホームページ等で掲載してはどうでしょうか、お答えください。  最後に、高血圧を含む生活習慣病の予防に係る教育についてお聞きします。小学校においては、がんを初め心臓病や脳卒中などの生活習慣病について学習することになっております。高血圧学会では、小学生向けのテキストを作成されています。子供に教えることで大人に減塩の大切さを教えることにもなります。ぜひ生活習慣病の予防に係る教育を実施する際、このテキストを利用してはどうでしょうか、教育長の答弁を求めます。  次に、誤嚥性肺炎の予防について、医療と介護の面から伺います。厚生労働省は、肺炎患者の七割が七十五歳以上の高齢者で、その七割が誤嚥性肺炎だと報告をされています。また、厚生労働省が公表している我が国の死亡率の推移を見てみますと、肺炎での死亡率は増加傾向にあって、二〇一一年には脳血管疾患を抜いて第三位になっております。  まず、在宅及び入院時の口腔ケアについて伺います。国は、団塊の世代が全員後期高齢者となる二〇二五年を見据え、高齢者の誤嚥性肺炎やがん患者の術後の肺炎リスクが増加している現状を踏まえて、地域医療支援病院等の入院患者の口腔機能の向上を行うことで、在院日数の短縮化や退院後の誤嚥性肺炎による再入院の軽減を推進をしております。本県では、歯科医療連携室において、在宅療養者や介護施設、医療機関等へ歯科関係者の派遣や退院時に歯科診療所の紹介等を行っております。健康長寿の観点から継続、拡大して支援すべき大変重要な取り組みと考えますが、知事のこの事業に関するお考えをお聞かせください。  次に、高齢者施設の口腔ケアについて伺います。私は、昨年八月十五日に義理の父を亡くしました。私自身、誤嚥性肺炎は医療の問題であり、治療しても施設に戻ってしばらくすると、また発症することから、完治するのは難しいと思っていました。ところが、先日私は、福岡市の西区にあります特別養護老人ホームマナハウスが、口腔ケアで誤嚥性肺炎を激減させているということをお聞きし、施設を訪ねました。小金丸誠施設長と、誤嚥性肺炎プロジェクトに取り組む瀧内博也歯科医師、そのプロジェクトを広めようとしている浜俊一社長にその取り組みをお聞きしました。  小金丸施設長は、これまでの口腔ケアのイメージは、朝と寝る前、食後の三回、合わせて五回、歯を丁寧に磨き、口の中を清潔にするということでありました。今回瀧内医師、浜社長から正しい口腔ケアの話を聞き、介護職員に講習をしてもらいました。講習の内容は至って簡単で、週二回、時間は一回に五分から十分で、口腔内のマッサージが中心でありました。全職員がこの程度ならできると納得し、全入所者に実施したところ、翌月から結果が出始めました。誤嚥性肺炎を起こす入所者が減り始めたのであります。前の年、入所者が肺炎で入院した日数は五百四十五日でありました。その口腔ケアを実施した翌年には百四十四日と、四分の一弱に激減をしたのであります。しかも、その他の疾患で入院していた日数も、一千三百十日から八百五十一日に減りました。絶大な効果があると驚いていますと教えてくれました。小金丸施設長は、職員のモチベーションを高くしているのは、医療の資格がない私たち介護職員が、誤嚥性肺炎で苦しむ利用者を減らすことができたということであります。おまけに、入院が減ると施設は増収になります。増収分の一千二百万円は施設の介護職員の手当にしました。さらに、一日五万円分の入院費に換算をしますと、私たちの施設だけで四千二百五十万円の医療費の削減にも貢献しているということになります。この施設では、離職する職員はゼロになりましたと、笑顔でお話しされていました。  誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトを推進する瀧内歯科医師、浜社長は、医師一人、歯科衛生士がどんなに頑張っても、利用者さん全員の口腔ケアはできません。介護職員の方々に納得してもらい、実施してもらうことで、入所者の皆さんが誤嚥性肺炎で苦しむ姿を減らして、職員の急な入院対応を少なくすることができるんです。週二回、十分弱のケアで多くの人の命を救うことができること、このことを全国に広めたいと意気込みをお聞きしました。この誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトは、徐々に広がりを見せており、二〇一八年には全国老人福祉施設研究会議で実践研究発表され、最優秀賞を獲得されております。  知事に伺います。マナハウスのような高齢者施設等において口腔ケアを行うことにより、利用者の健康長寿につながり、介護職員の負担も減り、離職率も軽減し、職員の収入増、医療費の削減にもつながっている施設がありますが、誤嚥性肺炎予防に向けた口腔ケアの取り組みについて、知事の認識をお示しください。  また、高齢者施設の職員が正しい口腔ケアを実施し、誤嚥性肺炎ゼロを目指してどのように取り組むのか、また成功事例を広報してはどうでしょうか、知事の答弁を求めます。  次に、子供ホスピスとファミリーハウスについて伺います。現在医療の進歩とともに、病気や障がいを持ちながら人生を送っている子供たちがふえてきています。子供ホスピスとは、重い病気や障がいを持つ子供たちの緩和ケアができる場所のことです。緩和ケアとは、身体的な苦痛だけではなく、精神的、社会的な苦痛も和らげることも指します。さらには、この子供だけではなく、家族に対してもレスパイトケアの観点から、同じ立場の家族同士で話したり、イベントに参加できるような施設のことであります。  先日、私たちは東京の世田谷区にある、重い病気の子供と家族のための医療型短期入所施設でありますもみじの家を訪問いたしました。また、医療的ケア児を初め、さまざまな障がいを持つ子供たちの施設としてだけではなく、支える家族の心のよりどころともなっておりました。行政からの制度上の支援もありますが、企業の応援やいろいろな立場の方からの寄附で運営をされておりました。私たちは、以前小児医療にかかわる医師から、医療の発達により小さな子供の命を救うことはできるようになりましたが、この子たちの人生は政治の力が必要ですとお聞きした言葉をかみしめて帰ってまいりました。また、上智大学名誉教授で、哲学者で死生学の権威であるアルフォンス・デーケン教授は、人の命のみとりということが、人間の人生の中で重要な意味をなすものであると位置づけ、子供ホスピスの存在は、その国の文化の成熟度をはかるものであるとおっしゃっています。残念でありますが、県内には子供ホスピスは開設をされていないとお聞きしております。  次に、ファミリーハウスとは、がんや難病などの治療のため、自宅から遠く離れた病院に長期に入院する子供とその家族を支援するため、該当する病院の近くに家族が通常の料金よりかなり低い価格で宿泊できる施設を用意し、病気の子供の不安や家族の経済的負担を軽減するものであります。私たちは、ファミリーハウスを運営する民間団体の方々から、施設を利用したいという家族は多く、さらに拡充するために活動していますとお聞きをいたしました。  そこで知事に伺います。まず、ファミリーハウスについてお聞きします。子供の病気の中でも、特に小児がんの治療は入院期間が長期に及ぶと言われ、付き添う家族の負担は大きいものと思われます。多くのがん患者を治療する県内のがん診療拠点病院には、ファミリーハウスがどれくらいあるのかお示しください。また、その運営主体はどのようになっているのかもお伺いいたします。  次に、重い病気や障がいのある子供の介護は、常に両親や親族に委ねられ、家族の精神的、肉体的な負担、さらには経済的負担も非常に大きなものがあると聞いております。県では、このような家族の負担軽減のためにどのような支援を実施しているのかお答えください。  最後に、本県でファミリーハウスを開設している民間団体にお聞きしたところ、当該病院の近くで適した用地を探しているが、大変難しいとお聞きしました。本県では、空き家バンクのようなサービスなどの情報の提供も行っています。ぜひこのような団体にも情報を提供していただきたいと強く要望しておきます。  そこで、このような団体に対して県有地を貸し付け、または売却したり、県の未利用地についての情報を提供するような支援はできないものか、知事にお伺いいたします。  次に、和食文化、伝統文化、スポーツの振興について伺います。和食は、二〇一三年にユネスコの無形遺産に登録をされました。文化庁は、食文化を振興するための専門部署をことし四月に新設すると、方針を固めました。観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、外国人旅行者が訪日前に期待することの第一位は日本食であります。和食文化の振興は、日本食の国際的なブランド力をさらに高め、訪日客の一層の増加につながると思われます。伝統文化についても、最近の訪日外国人は、単に物を購入するというよりも、日本の伝統文化の奥深さに興味を持ち、自分で工房を訪ね、体験するという観光客もふえてまいりました。  私は、最近パリに拠点を持つ和食の若きたくみ、ロンドンに拠点を持つ陶芸家の親子にお会いをいたしました。彼らは、福岡県を誇りに思い、ヨーロッパで福岡県のすばらしい食材、伝統文化を多くの人に知ってもらいたい、広げていきたいという若き青年たちであります。彼らは、ヨーロッパの方たちの特徴として、和食や伝統文化のしきたりを外して入りやすくして、同時に日本の文化の奥深さにいざなう仕掛けができれば、どんどん日本文化のとりこになり、ヨーロッパ全体に広がりを見せることができますと、自信を持っておられました。また、四年後にはパリでオリンピックが開かれます。その前にはラグビーワールドカップが、同じくパリで開催されます。和食も茶懐石に特化すると、高取焼の陶器や大川の組子、曲げわっぱなどは、きっと好きになってくれます。しかし、ヨーロッパにはさまざまな規制がありますが、果敢に挑戦したいと話しておられました。
     知事に伺います。私は、既にヨーロッパで活躍し、人脈も拠点もあり、福岡県のために仕事をしてくれる人材と連携することによって、海外進出する企業が成功してもらえれば、福岡県のヨーロッパでの知名度も大きく向上し、ビジネス展開の突破口になると思います。知事のお考えをお聞かせください。  この項の最後に、サイクルツーリズムについて伺います。私の友人で自転車ツーリングを趣味にしておられる方が、福岡でもツーリングできる道路が整備されてうれしい、福岡県や九州でツーリング大会を開催すれば、全世界から自転車のアスリートや観光客が数千人規模で集まりますよと教えていただきました。知事は、県を挙げてサイクルツーリズムを推進するため、福岡県サイクルツーリズム推進協議会を設立し、福岡県自転車活用推進計画に基づいて、今年度までに十の広域モデルルートを設定しています。また、オール九州での取り組みについても、九州・山口各県の観光部局間で、県域をまたいだ広域推奨ルートの設定などについて協議を進めているとも承知をしております。  知事に二点伺います。まず、提案でありますが、自転車は世界的にも観光振興として広がりを見せています。ぜひツール・ド・フランスのような大会を福岡県や九州で開催してはどうでしょうか、お答えください。  次に、自転車広域モデルルートの周辺のストーリー性を持たせた観光資源の開発を実施され、公開するともお聞きしておりますが、そうした情報をホームページはもとより、SNSを活用して発信すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、グーグルマップ上で、フランスを自転車モードで表示をしますと、自転車ルートが表示をされますが、日本ではそういった表示はできません。ぜひ世界標準のグーグルマップで本県のサイクルルートが表示できるよう検討してはいかがでしょうか、お答えください。  最後に、商店街振興と治安維持について伺います。私の地元西新地区は、幼稚園から大学までそろう文教地区であります。西新商店街は、古くからリヤカー部隊も出て、庶民が気軽に買い物ができる町であります。藤崎から西新まで全長一・六キロに商店が並び、福岡市の副都心としてにぎわいを見せておりますが、バブルがはじけ、西新商店街も不況の影が落ち始めていたころ、二〇〇三年から当時の商工会議所西部支所が先頭に立ち、地域も一緒になって活性化について動き始めました。その起爆剤は、国民的な人気漫画のサザエさんと決め、西新をサザエさんの町にしようと活動を展開しました。  サザエさんの作者長谷川町子さんは、戦前は福岡市博多区の春吉小学校から福岡高等女学院に進み、十代前半までを過ごしております。東京に転居し、二十代半ばに西新地区に疎開をし、三年間暮らされました。その間、長谷川町子さんは百道の海岸を散策し、サザエさんのキャラクターを発想し、一九四六年から夕刊フクニチに連載が始まり、七四年に朝日新聞で終了するまで、連載は六千五百回以上に及んでおります。サザエさんの著作物を管理する長谷川町子財団の許可を得て、二〇〇六年、サザエさん発祥の地の記念碑、一二年にサザエさん通りの命名。しかし、二〇一五年七月に、皆さんの寄附でつくったサザエさん一家のシルエット像を何者かが足元から折り倒すという事件がありましたが、地域の皆さんのサザエさんへの思いは強く、みんなの手で修復をいたしました。そして、ことし中にはサザエ、カツオ、ワカメ、三体の像をつくろうと寄附を募っておるところでございます。  そんな西新地区ではありますが、商店街を含む西新地区に風俗店、性風俗関連の店が出店し始めました。地下鉄の昇降口や店の前に従業員が立ち、客引きを行うなどしております。法的には、風俗営業適正化法、福岡県迷惑条例によって、出店、活動の規制がしかれているはずでありますが、実態は少し様子が違います。商店街連合会の皆さんは、見つけ次第一一〇番通報をしていただいておりますが、やむ気配はありません。この地域は、先ほども申し上げましたが、文教地区であり、夜も塾帰りの子供たち、高校生、大学生も多く行き交う町であります。このままでは商店街連合会、校区も、サザエさんの家族が住む町とは言えなくなってしまうと危惧をしております。  まず、長谷川町子さんが住んでおられた御近所に知事の御実家がありますので、西新地区のことはよく知事も御存じのことと思います。西新地区がサザエさんの町として活性化しようとしていることについて、どのようなお考えをお持ちでしょうか、お答えください。  次に、警察本部長に伺います。西新地区の安心、安全のために福岡市とも連携をして、条例を改正してでも、風俗営業の出店や客引きに関する規制を強化していただきたいと思いますが、警察本部長の見解をお聞きをいたします。よろしくお願いします。(拍手) 6 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。 *知事答弁 7 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず初めに、新型コロナウイルス感染症の検査体制とこれまでの実績でございます。国が示した発熱、息苦しさなどの症状に該当する方につきましては、保健所に設置をいたしております帰国者・接触者相談支援センターに相談をいただくようお願いをしておりまして、特にリスクの高い高齢者、また議員がお触れになりましたような基礎疾患をお持ちの方、妊婦の方などは重症化しやすいため、早目の相談を呼びかけているところであります。この相談センターにおきましては、相談者の状況を丁寧にお聞きをし、国の示した目安に沿って確認を行い、感染の疑いがある場合には、県内の医療機関に設置した帰国者・接触者外来に連絡をし、受診につなげているところであります。  帰国者・接触者外来におきまして、医師が新型コロナウイルス感染症の疑いがあると診断をした場合には、保健所に相談をいたします。その上で、保健所の要請により医師が検体を採取し、県内に三カ所ございます県の保健環境研究所でPCR検査を実施しております。医療機関から保健所へ相談された検査は、三カ所の保健環境研究所において、昨日まで、全県で二百三十七件検査を実施いたしました。その結果、先月二十日に二名の患者が確認をされ、今月一日に判明をいたしました一名、合計三名の方以外、全て陰性となっております。  次に、重症化対策にかかわる医療体制についてでございます。新型コロナウイルスの感染が判明した場合には、感染症法に基づき、感染症指定医療機関に入院をしていただくことになります。本県では十二カ所の医療機関で六十六床を確保いたしております。今後国内で患者数が大幅にふえたときに備えまして、重症者対策を中心とした医療提供体制を整えていくため、今月の一日、この前の日曜日ですが、行政、医師会、大学病院、感染症指定医療機関の病院長による会議を開催し、翌二日には新型インフルエンザが発生した際の協力医療機関がございますが、その医療機関に対しまして、今回の患者の受け入れの協力とその事前準備というものを要請したところであります。  中小企業、小規模事業者に対する支援でございます。金融に関する相談支援につきましては、新たに開設をいたしております経営相談窓口において、中小企業からの資金繰り等の相談に対応するとともに、セーフティーネット保証五号の指定業種の事業者には、県制度融資であります緊急経済対策資金の活用を促しているところであります。あす六日からは宿泊業、飲食業など四十業種が、これに新たに追加されます。支援が強化されることになります。さらに、今月の二日でございますが、国からセーフティーネット保証四号の、これは地域の指定でございます、地域の指定を受け、業種にかかわらず、売り上げ減少について市町村の認定を受けた事業者に対しましては、県独自に保証料をゼロとする資金繰り支援の強化を図ったところであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響によります休暇、休業、解雇等の労働に関する相談につきましては、県内四地域にあります労働者支援事務所に特別労働相談窓口を設置し、対応しているところであります。さらに、商工会議所、商工会の経営指導員が巡回指導の際に、新型コロナウイルス感染症の影響についてお聞きをした上で、県制度融資の説明、雇用調整助成金にかかわる相談窓口の紹介を行うなど、事業者ごとの置かれている状況に応じたきめ細かな支援を行っているところであります。  県有施設の予約をキャンセルした場合の使用料の返還についてでございます。新型コロナウイルス感染症の感染とその拡大防止を図るため、本県におきましては、県主催のイベント等を中止または延期をしておりますほか、二月二十八日から県有施設を臨時休館にするなど、さまざまな対策を講じてきております。これらを踏まえまして、イベント等を開催する目的で県有施設を利用される方が、三月二十日までの間、感染拡大防止を目的として、施設の利用の中止または延期を行われた場合には、既に納付された施設利用料について、全額還付をすることといたしております。なお、お尋ねの二十一日以降のイベント等につきましても、同様に還付することで検討を進めてまいります。  次に、国連の温室効果ガスゼロの提言についてでございます。地球温暖化は、今世界各地で起こっております災害、それから熱中症の増加、農産物の品質低下など、さまざまな分野で影響をもたらしておりまして、本県においても重要な課題となっております。こうした中、国連におきましては、パリ協定の長期目標であります地球の気温上昇を一・五度Cに抑えるためには、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする必要がある、その旨の提言を行っております。これは、脱炭素社会の実現の目標時期を具体的に示したものでございまして、今後国際社会がその目標達成に向けて、温室効果ガスを大幅に削減する脱炭素技術の実用化やその普及に積極的に取り組んでいくことにつながるものだと考えております。県といたしましては、脱炭素社会の実現に向けまして、まずは、今私どもがやっております福岡県地球温暖化対策実行計画の長期目標でございます、二〇五〇年までに八〇%の排出削減、その実現を着実に進めていきたいと考えております。  次に、水素社会に対する私の思いでございます。水素は、おっしゃるとおり、究極のクリーンエネルギーと言われております。環境問題やエネルギー問題の解決に向けたキーテクノロジーだと言われております。また水素の製造、輸送、貯蔵、利用までの各過程で非常に多くの企業がかかわりますことから、新しい市場を創出する次世代の産業としても期待されている分野でございます。このため、本県におきましては水素分野で全国トップレベルの企業、大学、研究機関、行政など八百二十二の機関等で組織をいたしております福岡水素エネルギー戦略会議、これを中核といたしまして、水素エネルギー社会の実現に向けた各種取り組みを行ってまいりました。具体的に申し上げますと、トヨタ自動車九州の工場内におきまして、太陽光発電から水素を製造し、フォークリフトや工場内の展示施設の照明に利用する、その実証事業、また、燃料電池自動車(FCV)の普及と水素ステーション、これの一体的な整備、世界最高水準の設備を備えた水素エネルギー製品研究試験センター、HyTReCと申しますが、HyTReCや県独自の補助金によります県内企業の製品開発支援、これらに取り組んでまいりました。  現在、県内ではエネファームが一万台、FCV(燃料電池自動車)、が百十二台普及し、水素ステーションは今月久留米市で開所されますステーションを含め、県内に十一カ所が整備されるわけでございます。また、水素関連の分野における県内企業の参入も着実に進んでおりまして、これまでにFCVやエネファームの主要部品など二十一件の製品化が達成されております。東京オリンピックパラリンピックにおきましては、私自身、小池都知事ともよく話をしておりますけれども、選手や観客の移動にFCバスやFCVが使用されますほか、選手村にも燃料電池が設置されることになっております。さらに、年末にはモデルチェンジをしたFCVミライが発売の予定でございまして、今後水素への注目が一層高まるものと期待されます。県といたしましては、こうした機会を捉えまして、本県の強みを生かして水素関連分野の産業化に取り組んでいくとともに、国の水素基本戦略の具体化を検討する場であります水素・燃料電池戦略協議会、ここに全国自治体から唯一、私自身参加しているところでございまして、国とも連携しながら水素社会の実現に向け取り組みを進めてまいります。  次に、県のホームページにおける水素社会に向けた取り組みの掲載でございます。水素社会の実現に向けては、県民の皆様を初め社会全体の理解を得ていくことが不可欠であります。このため、福岡水素エネルギー戦略会議ホームページにおきまして、本県の水素戦略の概要、各種の事業、県内企業が開発した水素関連製品についての情報などを掲載させていただいております。今後より一層県民の皆様の理解を深めていただくため、低炭素社会に向けた水素エネルギーの意義、またFCVやエネファームなど生活に身近な水素関連製品の開発と普及の状況、水素社会に向けた最先端プロジェクトの動向、これらについて、県のホームページ等効果的な広報媒体を活用しながら、情報発信に努めてまいります。  次に、再生可能エネルギーの出力抑制策としての関門連系線の活用についてお尋ねがございました。県におきましては、これまで国に対し系統制約の解消のため、既存の地域間連系線の弾力的運用について働きかけを行ってまいりました。国におきましては、系統の空き容量を柔軟に活用し、その送電量をふやすために、一昨年四月から過去の実績をもとに将来の運用状況も想定し、空き容量を算出する想定潮流の合理化、これを行いましたことに加え、一昨年の十月からは、事故時の瞬時停止装置を用いた緊急時枠、その活用も開始したところであります。この国の方針を受けまして、九州電力におきましては、関門連系線における再生可能エネルギーの送電量を拡大するシステムを開発をし、昨年四月から、今が最大送電量百五万キロワットでございますが、この百五万キロワットから、一般家庭で約十万世帯分に相当する三十万キロワット程度増加をさせたところでございます。また、国におきましては、再生可能エネルギーの余剰電力のさらなる有効活用に向けまして、系統混雑時を除き系統の接続を認める方策について検討が進んでおります。再生可能エネルギーは、今後も導入が進んでいくことが予想されます。県におきましては、他地域における電力需要の動向、そして、国の政策動向も注視しながら、系統制約解消に向けた働きかけを続けてまいります。  次に、県内の高潮ハザードマップ作成の状況でございます。県におきましては、高潮浸水想定区域の公表に先立ちまして、関係する三十二の市町に対し説明会を行うとともに、公表後も各市町の個別の質問に応じる形で、浸水想定の考え方、また先進事例の紹介など、ハザードマップ作成の支援を行ってまいりました。その結果、昨年度五つの市町におきましてハザードマップの作成が完了し、今年度は六つの市町において作成が進められているところであります。また来年度は十三の市町において作成が予定されているところでございます。引き続き、残る八市町につきましても、早期のハザードマップ作成に向け、情報提供や技術的支援を行ってまいります。  次に、ダムの事前放流についてお尋ねがございました。国におきましては、事前放流の実施について検討するため、昨年の十一月に引き続き、昨年の十二月に既存ダムの洪水調節機能強化に向けた検討会議、これが行われたところであります。その会議におきましては、事前放流を令和二年の出水期から実施をするために取り組むべき項目を示した基本方針というものが策定されました。今後国におきまして、この基本方針に基づき事前放流の開始基準の設定、事前放流後に水位が回復しなかった場合の対応などについて、具体的な手法が示されることになっております。県といたしましては、そうした国から示される内容を踏まえまして、県管理ダムの事前放流の可能性について検討を進めてまいります。  次に、防災士を活用したマイタイムラインの作成についてでございます。県におきましては、自主防災組織の体制強化を図るため、来年度から防災、減災の活動のリーダーとなる防災士のスキルアップ研修、新規養成研修を行うことといたしております。マイタイムラインにつきまして、これらの研修の中で、先進事例や防災情報を踏まえた避難行動のあり方を紹介し、それぞれの地域で特性に応じた自主防災組織の活動の中で、それを生かしてもらうよう取り組みを進めてまいります。  次に、河川の強靱化についてでございます。県におきましては、近年の降雨、また浸水被害の状況などを踏まえまして、計画的な河川の改修を進めてきております。またハードの対策に加えまして、災害時の避難行動や水防活動が適切に実施できるよう河川の水位情報の提供といったソフト対策にも取り組んできているところであります。さらに、平成三十年七月の西日本豪雨などを受けまして、国で策定した防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、その予算を活用して、河道掘削や樹木の伐採など緊急的な対策を推進しているところであります。今後ともハード、ソフト両面から総合的に治水対策を実施し、災害に強い県土づくりに努めてまいります。  次に、緊急浚渫推進事業費についてお尋ねがございました。この事業費でございますけれども、河川や砂防などの施設の適切な維持管理を図るため、地方公共団体が単独事業としてしゅんせつや樹木伐採などを緊急に実施できるよう、国が令和二年度から六年度までの間、その費用全額を起債することを認め、そのうち七〇%を地方交付税で措置するものでございます。現在、それについて国会で審議がなされているところでございます。現時点で、その適用条件の詳細は明らかになっておりません。今後国から示される内容を踏まえまして、この事業費の有効活用を検討してまいります。  次に、災害時の油流出に対応するための油除去技術の検証、情報交換、発信についてお尋ねがございました。御承知のとおり、昨年の佐賀県におけるケースにおきましては、県におきましては吸着マット、その提供と回収した物の処理事業者の紹介、これを行わさせていただきました。改めまして、県内には河川の水質保全や水質事故時の被害拡大の防止を図るため、国の河川事務所を事務局といたしまして、関係県、流域市町村等で構成される協議会が設置されておりまして、本県も環境、農林水産、県土整備及び建築都市の四部が参加をしているところであります。この協議会におきましては、平時から油流出時に必要となる資材の保有状況、対応事例の情報について共有を図るとともに、油流出事故に備えた訓練を実施しており、公募によりこれに参加した企業による油除去の実演やその資材の使用方法等についての説明が行われております。この訓練は、油除去の技術向上につながるものでございまして、できるだけ多くの企業に参加をしていただけるよう、県のホームページを活用してその参加の呼びかけを行ってまいります。また、訓練において効果が検証された技術につきましては、県庁内の関係部局で構成しております環境対策協議会において、その情報共有を図るとともに、九州各県との間におきましても、環境保全担当課長会議等におきまして、情報交換というものを進めさせていただきます。  次に、東京二〇二〇オリンピックパラリンピック競技大会、この遺産、レガシーについてお尋ねがございました。県におきましては、これまで県有施設の老朽化の状況、将来の活用見込みを踏まえながら、順次バリアフリー化を進めてきたところでございまして、東京二〇二〇大会の事前キャンプ受け入れにおきましても、県立総合プールや筑豊緑地の庭球場、テニスコートですね、久留米スポーツセンター陸上競技場といった施設の改修を進めてきたところであります。ソフト面におきましては、障がいのある人も、ない人も、ともにスポーツ活動に参加できるよう福岡県民体育大会に障がい者の部を設けまして、毎年パラリンピックの実施種目を中心に種目数をふやすとともに、県内各地でのパラスポーツ体験会、特別支援学校を活用した障がい者スポーツの拠点づくり、障がい者アスリートの育成といった取り組みを進めているところであります。  また、本県におきましては、誰もが住みやすいまちづくりを促進をする国の共生社会ホストタウン制度に、全国最多でございます四市町が登録をされております。御質問のありました田川市などの登録市町におきましては、多目的トイレや多言語案内板の設置、パラアスリートと住民の交流など、さまざまな取り組みが進められておりまして、県におきましてはこうした先進的な取り組みについて、ほかの市町村に広く紹介をしていきたいと考えております。県といたしましては、ハード、ソフト両面にわたり取り組んでまいりましたこれまでの成果というものをもとに、ハードはもとより、お互いの価値や多様性を認め合う共生社会の考え方というものを県内各地域に広げ、これを定着させていくことが東京二〇二〇大会の遺産になる、レガシーになると考えております。  障がい者トップアスリートの育成と大会の誘致、開催についてでございます。新しく創設を考えております基金でございますが、トップアスリートの育成や大規模スポーツ大会の誘致、開催等に活用することといたしております。そこで、障がい者トップアスリートの育成や障がい者のスポーツ大会誘致、開催も、当然その対象とする考えでございます。  障がい者スポーツの楽しさ等を伝えるコンテンツの活用についてお尋ねがございました。議員からお話のありました国際的な賞を受賞されたガイドブック、これ、私も拝見をさせていただきました。パラ卓球のアスリートのすごさ、あるいは躍動する姿を通じまして、障がい者スポーツのすばらしさというものが表現されているのではないか、色使い、デザインも非常に洗練されている、私自身そう思ったところであります。これからスポーツイベントや総合型の地域スポーツクラブなどにおきましてごらんをいただきまして、広く県民の皆さんにその紹介をしたいと考えております。  次に、発達障がい等支援糸島プロジェクトについてでございます。このプロジェクトでは、発達障がいを早期に発見をするため、まず、糸島市が一歳六カ月健診におきまして、保護者に対し言葉やコミュニケーションに関するアンケートを実施いたします。その中で、発達障がいが疑われるお子さんにつきまして、医療機関、九州大学、学校、保育所など支援に携わる関係者と連携いたしまして、乳幼児から成人に至るまで、継続してその支援に取り組むものであります。この取り組みは、平成十七年の発達障害者支援法の施行に先駆けまして、平成十一年度から長年継続して実施をされているものでございます。その取り組みの一環で、九州大学が実施をいたしましたコホート研究によりまして、自閉症の初期兆候の早期発見というものが検証されたところであります。この研究成果をもとに、市が主体的に取り組み、多様な支援機関も参画をし、発達障がいの早期支援につなげている、そういう点で大変意義あるものと考えているところであります。  九州大学のコホート研究についてでございます。今申し上げましたとおり、この研究は糸島プロジェクトの一環として、平成十一年度から糸島市と九州大学、官学共同で取り組まれているものでございます。発達障がいの一つであります自閉症の初期兆候が十八カ月の時点であらわれているということが検証されたわけであります。糸島市におきましては、この初期兆候を乳幼児健診で確認をし、自閉症の早期発見、早期療育につなげられるようになっておりまして、大変意義深い九州大学の研究であると認識をいたしております。  糸島市のプロジェクトの周知と、発達障がいのあるお子さんと地域との連携についてでございます。専門的、広域的な観点から、発達障がいに関する支援を行っていくため、県が設置をしております四カ所の発達障がい者支援センターにおきましては、当事者、学校、施設からの相談対応を行っております。さらに保健師、保育士等に対する研修のほか、保護者同士の交流会などを実施をし、関係者の皆さんの資質の向上も進めているところであります。また、十三カ所あります障がい児等療育支援事業所及び昨年度二カ所設置をいたしました医療連携型の発達障がい児等療育支援事業所におきましては、児童相談所はもとより、発達障がい者支援拠点病院のほか、市町村、障がい児施設、特別支援学校及び民生委員・児童委員等地域の関係機関と密接に連携をとり、支援に当たることといたしております。これまで糸島プロジェクトを他の市町村に紹介する機会はございませんでしたが、先ほど申し上げましたように、糸島市が主体となって発達障がいの早期発見から早期支援につなげる地域連携のこの取り組みは、地域の取り組みとして非常に他の参考になる事例であります。今後、市町村や相談支援事業所の担当者を集めた場におきまして、その紹介をさせていただきます。  次に、高血圧に関する市町村の実態の見える化でございます。県におきましては、昨年度から実施しております市町村の保健事業を支援する取り組みの中で、レセプト情報や特定健診情報等をデータベース化したKDBシステムを活用し、希望する市町村の脳卒中を初めとした生活習慣病の実態について調査、分析を行い、その情報提供を行っているところであります。市町村が受診や生活習慣の改善が必要な被保険者を指導するハイリスクアプローチ、これを積極的に実施していくためには、高血圧などのリスクのある被保険者の実態というものについて、他の市町村と比較することは有効でございます。このため、今後KDBシステムを活用し、生活習慣病に大きく関係をする高血圧、高血糖、高脂質といったリスクを抱えた被保険者数を市町村ごとに、年齢別、性別に区分をいたしまして、県内全ての市町村に対しその情報を提供をすることといたしております。  次に、高血圧ゼロのまちモデルタウンについてでございます。高血圧は、脳卒中や心疾患の主要な危険因子でありますことから、この予防や重症化予防に積極的に取り組む市町村を増加させていくことが大変重要でございます。日本高血圧学会におきましては、全国のモデルタウンの取り組みについて、学術総会やフォーラムで紹介をするとともに、表彰を行うなど取り組みを進めておられまして、県としても同学会と連携をしまして、取り組みの進捗状況や成果というものを把握し、市町村にその情報提供を行ってまいります。また、県内におきましては、食塩摂取量の簡易測定器を貸し出し、住民に計測させたり、特定健診や健康相談の際に計測を行っている市町がございます。みずからの食塩摂取量を知るということは、減塩の取り組みにつながります。そういうことから、このような市町の取り組みについて、他の市町村に情報提供を行ってまいります。  次に、減塩食品についての広報であります。食塩の過剰摂取は高血圧の発症や重症化の主たる要因とされておりまして、健康づくり県民運動におきましても一日当たり約二グラムの減塩を目指す、そのことを行動目標の一つとしているところであります。減塩食品の活用は、無理なく減塩の取り組みを続けることができますことから、県におきましては食育キャンペーン等におきまして、日本高血圧学会が認証する減塩食品について、その紹介を行ってきたところであります。今後は県民運動の専用サイトなどでこれを紹介するとともに、県民会議において学会から講師をお招きし、講演を行っていただくなど減塩食品の普及を図ってまいりたいと、このように考えております。  在宅及び入院時の口腔ケアについてでございます。自宅や医療機関で療養される方々が口腔ケアを受けることができるよう、県内十カ所の郡市区歯科医師会では、歯科医療連携室を設置をいたしております。この連携室におきましては、認知症などのため自分で口腔ケアができないといった相談に歯科衛生士が対応した上、訪問歯科診療につなげているところであります。この取り組みは、誤嚥性肺炎の予防を初め高齢者等の口腔機能の維持向上に寄与しているものと考えております。このため県におきましては、この連携室の活動について、県歯科医師会に対し地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、財政的な支援を行っております。今後ともこの事業の一層の充実に取り組んでまいります。  次に、高齢者施設における口腔ケアについてであります。高齢者の口腔の健康を維持することは、栄養状態を良好にし、ひいては体全体の健康状態を保つことにつながりますとともに、誤嚥性肺炎の予防に効果があると、このように認識をいたしております。このため県におきましては、平成二十六年度から三年間、歯科医師、歯科衛生士の指導のもと、高齢者施設四カ所におきまして、施設の職員が継続的に口腔ケアを行うモデル事業、これを実施し、入所者の約半数に誤嚥性肺炎の原因とされる口腔内細菌の減少が見られたところであります。その成果を踏まえまして、平成二十九年度からはより多くの高齢者施設におきまして、この口腔ケアが定着していくよう施設職員を対象とした実技演習を含む研修会というものを県内全域で開催をしているところであります。また、誤嚥性肺炎の予防により入所者の入院が減っていきますことで、施設の運営の改善、医療費の削減にもつながりますことから、御指摘がありましたような先進的な取り組み事例について、介護保険施設の管理者に対する講習会、介護関係の情報発信サイトであります福岡県介護情報ひろばにおいて、その紹介をしてまいります。  次に、県内がん診療連携拠点病院におけるファミリーハウスについてでございます。本県におきましては、十九カ所のがん診療連携拠点病院等が指定されておりまして、このうち九州大学病院、九州がんセンター、久留米大学病院、聖マリア病院で、小児がんや難病の患者及びその家族が利用できる宿泊施設が合わせて七カ所開設をされているところであります。これら施設の運営主体を見ますと、病院、公益財団法人、非営利団体等となっているところであります。  重い病気や障がいのある子供をお持ちの家族の負担の軽減についての支援でございます。県におきましては、在宅で人工呼吸器を使用されているなど、小児慢性特定疾病のお子さんを対象に十五の医療機関におきまして、一時入院によるレスパイトケアを実施しております。また、現在四十の事業所で実施をされております重症心身障がい児の短期入所について、これを実施する施設をふやしていくため、病院、診療所を対象に説明会を開催をし、その事業の実施について働きかけを行ってきております。さらに本年度から、新たに在宅十八歳未満の医療的ケア児を対象に、看護師派遣の費用を助成する訪問型の在宅レスパイト事業を開始をするとともに、小児がん患者を対象に在宅療養の費用を助成をする支援事業というものを行っているところであります。  次に、県有地の貸し付けについてお尋ねがございました。地方自治法により県有地の貸し付けまたは売り払い、これを行う場合には、原則一般競争によりこれを行うこととされております。例外的な取り扱いとして、国や市町村が公用、公共用に使用する場合には随意契約によることができるというふうになっております。このため、御指摘のありました子供ホスピスやファミリーハウスの設置者が国や市町村、または公立病院の場合には随意契約での貸し付け、売り払いによる支援が可能となりますが、NPO法人などの民間事業者の場合は、一般競争により入札を行うことになります。また、未利用県有地の情報につきましては、県のホームページに、今公表しておりますけれども、今後、おっしゃられるようなNPO法人等事業者からのお問い合わせがあれば、個別に情報提供を行わさせていただきます。  次に、ヨーロッパで活躍する人材と連携した県内企業の海外進出の支援でございます。県におきましては、福岡アジアビジネスセンターにおきまして、アジアを中心に海外展開を目指しておられる県内企業への支援を行っております。平成三十年七月にはこのセンター、ジェトロ福岡、福岡商工会議所など関係機関によるワンストップ海外展開相談窓口を設置をいたしまして、各機関と密接な連携をとり、支援の強化を図ったところであります。ヨーロッパにつきましては、このワンストップ相談窓口や県が委託をしておりますフランクフルト在住のビジネスコーディネーター、福岡アジアビジネスセンターの日本在住でありますイタリア担当のアドバイザー、さらにはジェトロが持っております欧州十三カ国の各事務所、これらを活用しまして、現地情報の収集、ビジネスパートナーの紹介などの支援を行っているところであります。現地にビジネス拠点や人脈を持たれ、福岡県への貢献意欲をお持ちの現地在住者の活用というものは、県内企業の海外展開にとりましても極めて有効であると、私も思います。今後とも中小企業の御要望に応じまして、関係機関と連携して、そうした各地の人材を発掘、活用いたしまして、県内企業のヨーロッパ展開というものを支援していきたいと、このように考えております。  次に、ツール・ド・フランスのような大会を開催してはどうかというお尋ねでございます。こうした自転車レースの国際大会は、サイクルスポーツへの関心の高い欧米などから選手、あるいは観戦客等が訪れられまして、その滞在、観光による経済波及効果も期待されるところであります。一方で、自転車レース、これを開催する場合には、公道を長い距離にわたって自転車で走行することになりますため、安全確保のための環境整備、交通規制による日常生活や経済活動への影響、多額の運営費用の調達、そういったさまざまな課題があると考えております。昨年の十一月の九州地域戦略会議におきまして、経済界から九州・山口地域一体となった自転車大会の開催検討について提案がありましたことから、九州・山口各県や経済界とともに、現在その内容や課題を整理しているところでございます。  次に、SNSを活用した本県の広域サイクリングルートの情報発信でございます。県におきましては、昨年度サイクルツーリズムの専用ホームページを開設をいたしまして、広域サイクリングルート、また周辺の観光スポットなどについての情報発信をしております。今年度は、そのホームページを多言語化をするとともにSNSを活用したルート情報の発信を、今行っているところでございます。来年度はこれらの取り組みに加えまして、SNSを活用してルート上から見える景色やルート周辺の観光スポット等のフォトコンテストを実施いたしますとともに、国内の自転車愛好家をターゲットに、このコンテストに投稿された写真や県内のイベント情報等について発信を行いまして、各サイクリングルートへの誘客というものを図っていきたいと、このように考えております。  また、議員御指摘の日本のグーグルマップ上で、このサイクリングルートを表示することにつきましては、サイクリストの利便性の向上につながるものであると、このように思います。今後サイクリングルートの整備を着実に進めていく、実態を進めていくとともに、グーグル日本法人から日本でサイクリングルートが表示されてない理由やその表示の条件について情報収集をやらせていただこうと思います。  次に、西新についてお尋ねがございました。西新地区の商店街では、漫画「サザエさん」の発祥の地をアピールするサザエさん商店街通り夢まつり、また福岡ソフトバンクホークスの優勝と商店街の発展を祈願する勝鷹水神必勝祈願祭、これらを開催するなどにぎわいの創出、あるいは地域内の消費喚起に取り組んでおられます。西新地区は、議員が御指摘になりましたように、私が育った町でありまして、懐かしい思い出の場所でもあります。また、こうしたまちおこしに頑張っている友人、後輩たちもたくさんいるわけでございます。県といたしましては、西新地区の魅力が高まり、多くの皆様にお越しをいただけるよう、引き続きプレミアムつき地域商品券の発行支援など、その商店街の振興に取り組んでまいります。 8 ◯議長(栗原 渉君) 城戸教育長。 *教育長答弁 9 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 臨時休業に伴い、新年度に不登校を生まない対応についてでございます。今回の臨時休業は、各学校や子供たちにとりましては急なものであり、例年よりも長期の休みとなります。このため臨時休業中においても電話や家庭訪問により児童生徒に関する情報収集を行いながら、自宅などでの学習活動の支援やスクールカウンセラーを活用した教育相談など、各学校におけるきめ細かなフォローを促してまいりたいと考えております。  学校給食に食材を供給している業者への配慮についてでございます。臨時休業の期間中、学校給食に食材を供給している業者の中には、学校給食が中止になることにより、経営面での影響が懸念されるところがございます。このため、そうした影響の実態を県教育委員会からも国に伝え、必要な支援について要望を行っているところでございます。  小中高等学校等におけるパラ卓球ガイドブックの活用についてでございます。新学習指導要領の体育科、保健体育科では、共生の視点に立って、年齢や性別及び障がいの有無等にかかわらず、運動やスポーツの多様な楽しみ方を共有することや、パラリンピックに関する指導について明記をされております。各学校において、障がい者スポーツの価値に触れることは、多様性を認め合うなどの公平な態度形成等にも資することから、今後関係団体等と連携し、本ガイドブックを初め有効な教材の活用について促してまいります。  発達障がいのある子供に対するきめ細かい支援策についてでございます。糸島市のみなかぜ相談や学校巡回のように、臨床心理士等の専門家が保護者の相談に応じたり、学校で助言を行ったりする取り組みは、発達障がいのある子供に早期から一貫した支援を行う上で大変意義のあるものと考えます。県教育委員会といたしましては、現在専門家巡回相談事業や特別支援学校による相談支援を行っており、引き続き小中学校や保護者のニーズに応えるとともに、小中学校におけるスクールカウンセラーの活用を促し、各市町村においてもきめ細かな支援が行われるよう努めてまいります。  生活習慣病予防にかかわるテキスト利用についてでございます。小学校においては、高血圧症等の生活習慣病を予防するために塩分等をとり過ぎる偏った食事を避けるなど、健康によい生活習慣について学習することとなっております。減塩等について示された本資料は、望ましい食習慣を考える上で参考となる資料であることから、小学校教員を対象とした研修会において周知をしてまいります。 10 ◯議長(栗原 渉君) 福田警察本部長。 *警察本部長答弁 11 ◯警察本部長(福田 正信君)登壇 風俗営業の出店や客引きに関する規制強化についてお答えいたします。風俗営業に関しましては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、いわゆる風営適正化法及び同法施行条例により、営業時間の制限及び営業可能な地域を制限しています。また、風俗営業の客引きに関しましては、風営適正化法及び福岡県迷惑行為防止条例において、風俗営業関係者によるつきまといや立ち塞がりなどの不当な客引き行為を規制しております。お尋ねの西新地区には、いわゆるスナック、ラウンジ等の営業許可を取得している店舗を九店舗、いわゆる店舗型ファッションへルス営業を届け出ている店舗を一店舗、それぞれ把握しております。また、同地区においては客引き等に関する一一〇番や相談を、昨年一年間で二十六件受理しており、十四件の立ち入りを実施し、違法な客引きの検挙もしております。引き続き、立ち入り等による指導、警告を推進し、営業の健全化を図ってまいります。規制強化につきましては、他県の状況も踏まえ、関係機関と協議の上、必要な調査をしてまいります。 12 ◯議長(栗原 渉君) 新開昌彦君。 13 ◯七十二番(新開 昌彦君)登壇 知事、教育長、それから警察本部長はデビュー戦でございました。ありがとうございました。  特に、まず地元のことでございますが、西新地区、大変懸念をいたしております。福岡県の迷惑防止条例等は、全国一厳しいというふうに認識をしておるわけでございますが、今後とも警察による立ち入り、そういったことを指導、警告、しっかりと行っていただきたいと、強く要望しておきたいと思います。よろしくお願いします。  知事に一点お願いなんですけれども、先ほど誤嚥性肺炎のゼロプロジェクトを御紹介をいたしました。県のほうも、この誤嚥性肺炎については、口腔ケアが大事だということは、私どももこれは認識をしておる共通項でありますけれども、執行部に、誤嚥性肺炎が減っているのかと聞くと、減ってないとおっしゃいます。そういったことで、うまくいっている施設はあるのかと聞くと、それも明確なお答えは返ってきません。ですから、私はこうやって、マナハウスということを紹介をさせていただいたわけでありますけれども、そこが成功している理由は、職員全員が納得をしているということが、これが成功の要因だというふうに思っております。これについては秘訣があろうかと思います。誤嚥性肺炎ゼロプロジェクトなりの秘訣があろうかと思うんであります。どうやって全員が納得して口腔ケアをやっている、その秘訣、これは行かないとわからないと思いますので、ぜひとも知事が足を運んでいただいて、現場をしっかりとつまびらかにしてやっていただきたい、それを広げていただきたい、そのように思うわけでありますが、知事の答弁を求めたいというふうに思っております。よろしくお願いします。 14 ◯議長(栗原 渉君) 小川知事。 15 ◯知事(小川 洋君)登壇 議員が御紹介をされましたマナハウス、当該施設の訪問でございますけれども、機会を見て訪問させていただこうと考えております。 16 ◯議長(栗原 渉君) この際、しばらく休憩いたします。再開は午後二時十分といたします。           午 後 一 時  十 分  休 憩           午 後 二 時  十一分  再 開 17 ◯副議長(原中 誠志君) 再開いたします。  休憩前に引き続き代表質問を行います。発言を許可いたします。椛島徳博君。(拍手) *椛島議員質問 18 ◯三十番(椛島 徳博君)登壇 皆さん、こんにちは。食と緑を守る緑友会福岡県議団の椛島徳博でございます。ちょうど昨年の今ごろ、大変な時期でありましたけども、走り回っていたころのことを思い出しながら、きょうは地元から応援団、約三名来ております。気合いを入れて質問に入らせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。それでは、通告に従いまして代表質問を行います。  初めに、知事の政治姿勢についてお尋ねします。  まず、冒頭、新型コロナウイルス問題について申し上げます。各会派の代表質問でそれぞれに指摘がありました。我が会派も同様の危機感を持っております。内容が重複しますので、ここでは取り上げませんが、切迫する感染拡大防止の対策と本県の危機管理体制の強化は喫緊の課題であることは間違いなく、今後もしっかり対処いただきたいと指摘をしておきます。我が会派としては、状況が刻一刻と変化しておりますので、今議会の中で、その対応について引き続き知事の政治姿勢をただしていきたいと考えております。  それでは質問に入ります。今議会は、令和二年度の予算を審議する議会であります。そこでまず、過去最大規模となった来年度当初予算の編成方針について、知事の御所見を伺います。  次に、知事の今議会での所信表明の内容についてお尋ねします。知事は、今、私たちは、急速に進む少子・高齢化・人口減少、第四次産業革命の進展、そして人生百年時代の到来、この三つの大きな変化に直面していますと述べられました。そこで、このような社会状況の変化にどのように対応されるのか、以下お尋ねします。  まず、第一の少子、高齢化、人口減少への取り組みについてであります。本県は、人口減少の進む日本の中で、人口が増加している県であります。しかし、県内に目を移しますと、人口増加が続く福岡市を中心とした福岡都市圏に対し、北九州、筑豊、筑後の三地域では人口減少が進み、県土の均衡ある発展の観点からは大きな課題があります。したがって、人口減少が進む地域への取り組みが重要であり、課題解決のためには、県内各地域の魅力を上げ、それを発信することによって、関係人口と言われる地域外に居住しながら、地域の人々と継続的に多様なかかわりを持っている方々、その増加、そして移住、定住につなげていく取り組みが大切であると考えます。  そこで伺います。関係人口に対する知事の御所見をお尋ねします。また、今後、関係人口の創出、拡大に向け、どのような取り組みを実施されるお考えか、あわせてお答えください。  二番目の第四次産業革命への取り組みについてであります。第四次産業革命とは、一九七〇年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた第三次産業革命に続く技術革新と言われています。その内容は、IoTやビッグデータ、AIといった技術革新であります。本県としては、第四次産業革命におくれをとらないために、その推進体制の強化が大切であります。また、高齢者や中小企業、小規模事業者などにその機能を理解し、活用していただく、その取り組みも必要だと考えます。  そこで、知事は、第四次産業革命の推進に具体的にどのように取り組まれるのかお尋ねします。また、高齢者や中小企業、小規模事業者などのICT弱者への認識とその取り組みについてもあわせてお答えください。  第三に、人生百年時代についての取り組みについてであります。国の人生百年時代構想会議の中間報告を引用すると、ある海外の研究では、日本では、二〇〇七年に生まれた子供の半数が百七歳より長く生きると推計されているそうです。知事は、これまでも人生百年時代の到来の対応として、生涯にわたり安心して暮らし、そして元気に活躍し続けるためには、健康寿命をさらに延ばしていくことが重要であると述べてあります。  そこで知事に伺います。福岡県民の健康寿命に対する課題と施策の方向性についてお答えください。  次に、第二期総合戦略についてお尋ねします。十二月定例会の我が会派の代表質問で、第一期総合戦略の実施状況と全体的な評価及び第二期総合戦略についてただしました。知事の答弁の中で、第二期の取り組みとしては、新たに宿泊税の導入に伴う広域的な観点からの県全体の観光産業の振興、健康づくり県民運動の実現、スポーツ立県福岡の実現を進めることを明らかにされました。  そこで知事にお尋ねします。まず、広域的な観点から県全体の観光産業の振興について伺います。今議会で具体的な予算措置と振興策が提示されました。御存じのとおり、新型コロナウイルスが発生し、我が国の観光振興はもとより、本県の観光産業の振興、本県経済にも大きな打撃となってくることは間違いありません。新型コロナウイルスが本県の観光産業に与える影響について、まずお尋ねします。  第二に、健康づくり県民運動の展開について伺います。日々の運動や食生活の改善、健診の受診、健康教室やイベントへの参加などの健康づくりに、県民が楽しみながら継続して取り組めるよう、スマートフォンアプリふくおか健康ポイントアプリの配信を既に二月五日に開始しています。県では、この事業によってどのような効果を期待しているのか伺います。また、このアプリの利用者数の目標と、その達成に向け、具体的にどのように取り組んでいくのかをお聞かせください。  第三に、スポーツ立県福岡の実現について伺います。今議会で福岡県スポーツ推進条例が上程されています。県は、この条例の基本理念にのっとり、スポーツに関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すると定めていますが、現在、スポーツ振興は人づくり・県民生活部のスポーツ振興課、部活動においては教育庁教育振興部の体育スポーツ健康課の所管になっています。本県にとってスポーツ振興は大きなテーマであり、県民の健康及び文化的な生活、そして活力ある地域社会の実現に寄与しています。よって、県全体の取り組みとして組織体制の強化が必要であると考えますが、知事の御所見を伺います。  次に、宿泊税についてもお尋ねします。宿泊税条例は四月一日から施行され、来年度から宿泊税を財源とした施策が実施されていくことになります。宿泊税の税収は、観光振興を図る施策の費用に充てるため、税収を基金に繰り入れることになっておりますが、宿泊税の賦課徴収に当たっては、広報やシステム経費などの事務費や、宿泊事業者が宿泊者から徴収するためのコストがかかります。  そこで知事に伺います。令和二年度の宿泊税の税収をどのように見込まれているのか。また、これらの事務経費を除いた事業費として使える金額はどれくらいになるのかお答えください。また、今回の新型ウイルスの影響がどのように税収に影響を与えると考えているのかについてもあわせてお答えください。  宿泊税の賦課徴収には基本的には例外措置がありません。県立社会教育総合センターや市町村が設置する宿泊施設では、教育研修や合宿などで宿泊する団体が多いのが実態であります。知事は、これら教育関係で宿泊する団体に対して、宿泊税の減免措置をどのようにお考えになっているのか伺います。  次に、JR日田彦山線復旧問題について、知事の政治姿勢についてお尋ねいたします。平成二十九年七月の九州北部豪雨災害で被災したJR日田彦山線ですが、既に二年と九カ月がたちました。この間、県議会では一向に進展しない復旧問題に対して、知事に再三再四にわたりただしてまいりました。今議会の所信表明で知事は、日田彦山線の問題について、全力を挙げてその早期解決を図りますと、一言だけしか述べられませんでした。一体知事は、どこを向いて、誰のための政治を行っているのでしょうか。これだけ県議会でも問題にしてきましたが、それで被災した皆さんに本当に寄り添っていると言えるのでしょうか。これだけ知事のリーダーシップを問うて、大きな政治事案になっている日田彦山線の復旧問題をたった一言でなぜ済ませたのか、知事の真意をまずお聞かせください。  さて、二月十二日にJR日田彦山線復旧会議が十カ月ぶりに開催されています。いまだJR九州と地元との間に意見の乖離があり、丁寧な説明が必要である。JR九州からは新たなBRT案が示され、利便性向上や観光振興につなげる議論を深めていく必要がある。そして、三月末までに復旧の方向性を目指すとして会議結果の報告を聞いております。我が会派は、なぜここまで復旧問題が長引いたのか、解決の糸口を見出せなかったのかを検証する必要があると考え、会派内で議論を重ねてきました。その結果、知事には大きな判断ミスがあったのではないかと指摘が出ました。知事がどのような結論を出すにせよ、私たち議会として指摘した上で、知事にたださなければならないと考えています。  私たちが知事の大きな判断ミスがあったのではないかと思われる一つ目は、JR日田彦山線復旧への初動対応のおくれであります。同じ九州北部豪雨で被災した久大本線は一年後には復旧していますが、これだけ結論が先送りされたのは、本県の初動対応のおくれが原因だったのではないかと考えます。  二つ目は、JR九州側からの提案だった鉄道復旧を前提とした復旧会議が、一年前の知事の公共交通ネットワークの維持という不用意な発言によって、先月二月十二日の復旧会議で、JR九州側からBRTによる具体策の提案がなされたことです。  三つ目は、九州北部豪雨から二年九カ月の間、日田彦山線で被災した東峰村並びに添田町に対して、地域振興策、活性化策を図ってこなかったことです。以上、三つを指摘させていただきます。  ここで、日田彦山線の沿革について触れさせていただきます。筑豊では石炭輸送を目的とした鉄道路線が、炭鉱経営者によって建設されました。筑豊の鉄道網は、ひとえに石炭産業があったからだということは御承知のとおりです。知事は御存じだと思いますが、日田彦山線の前身は小倉鉄道であります。この小倉鉄道敷設に貢献したのが藏内次郎作公であります。藏内次郎作公は、弘化四年、一八四七年です、築城郡上深野村、現在の築上町で庄屋の次男として生まれました。藏内次郎作公は、明治四十一年から五期にわたり衆議院議員を務めるとともに、鉄道の敷設に大変尽力をされました。大正四年に、東小倉から上添田間の小倉鉄道を建設したのであります。その後、大正五年には藏内鉱業株式会社が設立され、大正八年には全国六位の出炭高を上げました。大正十四年、年間生産量八十五万トンの石炭会社となり、飯塚、麻生商店の年間生産量七十万トンを抜くほどの成長を遂げています。また、藏内家は旧制田川中学校、現在の福岡県立田川高等学校や旧制築上中学校、現在の福岡県立青豊高等学校の創設にも尽力をし、また、大分市高崎山にある万寿寺別院のため土地七万坪を寄進するなど、地域に大変貢献をされました。このように、藏内家は田川の発展に大きく貢献され、特に添田町の炭鉱と非常にかかわりが深く、大正九年の国勢調査の人口では、添田町、神崎議員の地元でありますけども、添田町、その当時の人口が二万八千五百六十九人であり、当時の田川郡では一番人口が多く、その人口の半分近くが藏内鉱業株式会社の関係だったということであります。このように、藏内家が田川地域、添田町、そして日田彦山線に多大な貢献をされてきました。  この日田彦山線は、先ほど申し上げましたとおりです。先人の努力や炭鉱で働いた方々の汗がしみ込んだ歴史のある重要な路線であります。先ほど申し上げました沿革を踏まえまして、知事に改めてお尋ねをいたします。  知事は、この日田彦山線の鉄道での復旧に政治生命をかけるとまで言われましたが、二年と九カ月の間、JR日田彦山線復旧問題が解決できなかったことに対して、知事自身の政治責任をどう考えているのかお尋ねします。  また、この間、日田彦山線の被災に伴う東峰村、添田町への地域振興策、活性化策が全く行われてきませんでしたが、それはなぜなのか。あわせて、これから東峰村、添田町への県としての地域振興策をどう考えているのか、被災地に寄り添うと言われている知事の御見解をお尋ねします。  さて、九月定例会我が会派の代表質問で、JR九州と住民の皆さんが意見交換を行うことによって、JR九州の考え方を直接聞く、そして地域の皆さんの思い、声を直接JR九州に伝えていく、そのプロセスを積み重ねていくということが重要であると答弁されてきました。東峰村では十月十五日、JR九州による住民説明会の参加者から集めたアンケート結果を公表しています。条件なしの鉄道復旧を求める回答が九割を超え、BRTが望ましいとする回答はありませんでした。東峰村の住民の皆さんでつくる日田彦山線の完全復旧を求める会では、鉄道での復旧を、JR九州の責任において、被災自治体に運行費用を求めることなく早期に行うことを要求する要望書が知事並びに議会に提出され、先月には、一万七千九百六名の街頭署名がJR九州に提出されました。一方、添田町でもJR九州による住民説明会があり、アンケート調査の結果が新聞報道され、ホームページに掲載されています。BRTでの復旧が多いとの回答でありますが、あくまでも鉄道による復旧は、毎年一億六千万円の地元負担を前提にしたアンケートであります。その後、二月の二十五日、二十七日に、BRTを前提とした住民説明会を実施しています。  そこで知事にお尋ねいたします。二月十二日の復旧会議でも沿線自治体の温度差が報道されていますが、なぜ東峰村と添田町は、同様の被災を受けているにもかかわらず、これだけ温度差が出てくるのか、知事はどのように分析をされているのでしょうか、お尋ねします。
     また、県執行部が被災した沿線自治体に対して、鉄道での復旧は難しい、鉄道案のかわりにJRから地域振興策を引き出す交渉もしてはどうかと打診をしたという報道が掲載されていました。復旧会議中でもあり、JR九州の意を酌んだと言われても仕方がない言動だと思いますが、この報道の真相と真意をお聞かせください。  また、二月十二日の復旧会議では、JR九州側から、路線バス付近などの専用停留所設置、バリアフリー機能のある車両導入、既存鉄道との円滑な乗りかえの実現、鉄道跡地の観光資源への利活用などのBRTの詳細が提示されました。JR側のBRT案では、彦山から筑前岩屋間、この釈迦ヶ岳トンネルだけが提示されていますが、そのほかの区間でのBRT路線要望は議論が上がっているのでしょうか、お尋ねします。  この項の最後に、沿線自治体、特に東峰村の住民の皆さんに対して、知事御自身はきちんと説明をされるのでしょうか、お尋ねします。また、知事がどのような結論を出されるのかわかりませんが、JR九州にどのような影響を及ぼし、その責任を知事はどのようにおとりになるのか、御所見をお尋ねします。  次に、新県立美術館についてお尋ねします。本年一月十六日、新県立美術館の建設地選定委員会は、建設候補地について、大濠公園南側、福岡武道場及び日本庭園の一部が望ましいとする報告書を知事に提出しました。それを受けて知事は、同月二十七日、同候補地を建設地とする旨表明しました。県立美術館は、県民の芸術文化環境の向上にとって非常に重要であり、すばらしい美術館ができ上がることを期待しております。  そこでまず、新築される美術館のコンセプトについて伺います。建設に向けた基本計画などはこれから策定されると思いますが、知事は、この美術館をどのような美術館にしたいと考えているのか。全国各地にある美術館には、それぞれ個性や特徴があると思いますが、どこに特徴があるのか。また、県民にとってどのような美術館になってほしいと思われるのか、新県立美術館のコンセプトをお聞かせください。  あわせて現県立美術館の取り扱いについてもお尋ねします。今後についてはどのようにお考えでしょうか。仮に、今後も美術館分館などとして残す場合、どのような位置づけになるのかもお答えください。  次に、福岡市立美術館との関係について伺います。建設候補地は、福岡市立美術館が隣接しています。この点も当然、候補地選定の理由の一つになったものと推察いたしますが、隣接する福岡市立美術館との関係をどのように捉えているのか。県民からすれば、県立、市立の別は余り意味がなく、要は美術館が隣接することでどのようなメリット、相乗効果があるのか。このエリアがにぎわい、それがどう県内各地へ波及するのか気になるところだと思います。今回の決定には好意的な反応もある一方で、行政の意地の張り合いで箱物を並立させたなどの声があるのも事実です。単に美術館が二つ並んでいるだけでばらばらだということにならないよう、福岡市としっかり協力してすばらしい美術館をつくっていただきたいと思います。  そこで伺います。よりよい美術館にするため、福岡市立美術館とどのように協力体制をつくっていくのかお聞かせください。  この項の最後に、県民アクセスの公平性について伺います。今回、人口が最も集中する福岡都市圏が建設地となったことは理解できる一方、それ以外の地域に住む県民にとっては、また福岡市か、自分たちは税金は払っているのに恩恵はないなど複雑な思いもあります。知事の公約、県民幸福度日本一の観点からは、満足度の低い地方部の県民にこそ光を当てる必要があると思います。また、県民アクセスの公平性も十分保証される必要があります。現地に足を運べない人がいるなら、美術館が出向いていく、そんな取り組みも重要だと思います。  そこで伺います。新県立美術館において、県民がひとしく芸術文化にアクセスできるよう、どのような取り組みを進めていくおつもりなのかお答えください。  次に、広域地域振興の観点から、NHK大河ドラマ招致についてお尋ねします。柳川の初代藩主立花宗茂とその妻ギン(もんがまえに言)千代を主人公にした大河ドラマについては、平成二十九年に招致委員会が発足し、地元柳川市を中心に熱心な招致活動が展開されています。今年度は、地元でNHK大河ドラマの傾向に詳しい歴史家の加来耕三さんの講演会やギン千代生誕四百五十年を記念した講座、また、宗茂パークin柳川というイベントが開催され、市内の小学生や保護者など約二千名が集まり、大変にぎわいました。歴史家加来耕三さんによれば、大河ドラマ招致を実現させるためには、宗茂、ギン千代への関心をもっと高める戦略を地域が一体となって立てていく、その必要があると助言をいただいております。多くの県民の皆さんに宗茂、ギン千代について知ってもらえるよう、県がリーダーシップを発揮し、取り組みを進めていただきたいと強く願っております。  そこで知事に伺います。ことしは、立花宗茂が旧領に返り咲いて四百年の節目の年です。復活の武将を印象づける絶好の機会であります。加来さんのアドバイスを踏まえ、県として、来年度、大河ドラマ招致活動を一層盛り上げていくため、どのような取り組みを行っていくのか、具体的にお答えください。  次に、農林水産業の振興についてお尋ねします。  まず、農地集積の取り組みについてであります。本県においては、現在、人・農地プランの見直しが行われております。このプランに基づき、大規模農家や集落営農法人といった担い手に農地を集積させる計画であります。ところが、その中心となる農地中間管理事業の集積面積も近年伸び悩んでいると聞いております。また、一部の担い手農家からは、農地が分散しているため、簡単には規模拡大はできるものではないとの声も聞いております。このプランの実現のためには、国の対策に加え、県独自のきめ細かな対策が必要だと考えます。  そこで知事に伺います。県は、今後どのように農地の集積を進めていくのかお答えください。  次に、農業の就業対策について伺います。県では担い手の確保のため、新規就農の推進を図り、新規参入者を含め、一定の成果は上がっていること、そのことは承知しております。しかしながら、一方で、家族農業を営んでこられた農家をしっかり守っていくことはとても大切なことです。特に、地元の農家から要望の強い親元就農者への支援に取り組んでいくことが重要だと考えております。そのためには、学校を卒業後直ちに、または農業以外に就職した後にUターンで就農する農業後継者に対して、収益が確保できること、また、農業にしっかり従事してもらえるよう、栽培技術面だけではなく農業経営に関しても支援が必要だと考えます。  そこでお尋ねします。このような方々に対する支援について、県はどのように取り組んでおられるのかお答えください。  次に、農作業事故の問題について伺います。農業者の高齢化に伴う担い手不足が叫ばれていますが、もう一つ、高齢化の進行により問題となっているものに農作業事故があります。全国の農作業死亡事故は、六十五歳以上の高齢者の割合が八割、交通死亡事故の五割に比べると非常に高く、農業機械に絡む事故が七割を占めるということが特徴となっているようです。農業者の高齢化が進む中で、特に事故防止に向けた取り組みのより一層の強化が求められています。  そこで知事にお尋ねします。本県における農作業死亡事故の発生状況をお示しください。また、トラックなどの自動車に加え、トラクターやコンバインなどさまざまな農業機械を使用することから、県として、事故防止に向けてどのような対策をとられておられるのかお答えください。  この項の最後に、有明海のノリ養殖について伺います。ことしの冬は、全国的に暖冬傾向が続いており、福岡で積雪が観測されたのは先月十七日で、これは平年より約二カ月も遅く、過去最も遅い記録を百十一年ぶりに更新しました。この暖冬の影響もあって、今漁期のノリの種つけは、水温が高かったことから、過去三十年で最も遅い十月末になりました。また、近年は、大雨が降ったかと思うと突然少雨となったり、水温がなかなか下がらなかったり、天候不順で成長がとまるなど気候の変動の影響が大きく、その対応が大変なようです。漁業者に聞きますと、有明海研究所から提供される漁場環境の情報を頼りに、海の状況に常に神経をとがらせながら養殖を行っているということです。このような中、県では、筑前海で水温や潮流などの漁場環境を把握するシステムを導入し、スマート化に取り組んでいると聞いております。  そこでお尋ねします。有明海のノリの生産額、五年連続で百五十億円を超える本県にとって重要な産業であります。また、ことしは、もう既に百六十七億円を超えております。このような産業でありますので、有明海のノリ養殖の生産がより安定するために、有明海でもスマート化の取り組みを進めるべきだと考えますが、知事の見解をお聞かせください。  次に、近年多発する自然災害に対する防災、減災対策についてお尋ねします。まず、豪雨災害に関連して、以下伺います。初めに、近年の降雨状況に対する県の治水対策についてであります。気象庁では、全国約千三百地点のアメダスで降水量の観測を行っております。この観測データによりますと、一時間に五十ミリ以上の大雨の年間平均発生回数は、三十年前は二百二十六回だったものが、ここ十年では三百十一回と増加しており、約一・四倍になっていると報告されています。このような中、本県でも平成二十九年七月九州北部豪雨、平成三十年七月豪雨、そして昨年七月、八月の大雨など、連続して毎年のように豪雨災害に見舞われております。大雨特別警報が三年連続で発表されたのは、全国でも福岡県だけだったと聞いております。  そこで知事に伺います。このような近年の降雨状況を見ると、今後も増加すると予想される大雨への対応は喫緊の課題だと考えます。本県の治水対策をより一層推進する必要があると考えますが、知事の考えをお聞かせください。  次に、ため池の防災、減災対策についてであります。近年、豪雨によって農業用ため池が決壊する事例が頻繁に発生していることを踏まえ、国は平成三十年十一月に今後のため池対策の進め方を公表し、新たな防災重点ため池の選定基準の見直しを行い、本県では国が定めた新たな選定基準に従い、市町村と調整した上で、昨年五月末までに三千五百七十八カ所を防災重点ため池に選定しました。また、昨年七月には農業用ため池の管理及び保全に関する法律が施行されました。この法律では、国や県、市町村の責務やため池の所有者、管理者の役割が定められております。しかし、ため池の安全性を確保していくためには、関係者がそれぞれの役割を果たし、適正な管理とため池整備を初めとするさまざまな対策を進めていくことが重要と考えます。  そこでお尋ねします。知事は、本県の防災重点ため池の防災、減災対策を今後どのように進めていくのか伺います。  この項の最後に、台風による高潮防災についてお尋ねします。国は、近年、洪水のほか内水、高潮の発生により、現在、想定を超える浸水被害が多発していることから、平成二十七年に水防法を改正し、想定し得る最大規模の高潮に係る浸水想定区域を公表する制度を創設しました。県は、この改正された水防法に基づき、平成三十年三月に玄界灘沿岸、昨年令和元年十二月に県内残りの二沿岸である有明海沿岸、豊前豊後沿岸の高潮浸水想定区域を公表しました。  今回公表された資料を見ますと、有明海沿岸、豊前豊後沿岸では、最大の浸水の深さが九メーターから十メーター、行政拠点の最大の浸水の深さが柳川市役所、行橋市役所でともに五・二メーターとなっております。特に、私の地元柳川市、また大川市、大木町を初めとした市域、町域が全域、または広範囲に浸水する市町の住民は大きな不安を抱いております。これらの市町は、その域を越えた避難計画の作成が必要であります。その際、県の支援が不可欠となりますが、計画作成に先立ち、まずは、今回の高潮浸水想定区域について、市町が十分に理解する必要があると考えております。  そこで知事にお尋ねします。まず、今回公表した高潮浸水想定の考え方及び公表内容についてお示しください。  また、浸水想定区域の公表を受け、市町はハザードマップの作成が必要となりますが、有明海沿岸、豊前豊後沿岸の関係市町におけるハザードマップの作成状況についてもお答えください。  次に、上下水道施設の老朽化についてお尋ねします。日本は、高度経済成長期に多くの水道管が整備され、法定耐用年数四十年を超過した老朽管の割合がここ十年で二倍に増加しており、この老朽管の破損、漏水といった事故が全国で発生しています。本県にとっても水道管の老朽化は大きな課題です。  そこで知事に伺います。まず、県内の水道管の老朽化の状況はどうなっているのか。また、老朽化対策を行う水道事業者に対し、県はどのように支援しているのかお答えください。  あわせて下水道についても伺います。道路下に埋設されているという点においては、下水道も同様であります。老朽化などにより下水道管が破損した場合、終末処理場への流入が断たれ、下水の処理ができなくなるなど、公衆衛生の面で大きな問題であります。下水道事業には、県が事業主体である流域下水道と市町村が事業主体である公共下水道があります。  そこで、福岡県内の流域、公共、それぞれの下水道事業における下水道管の老朽化対策にどのように取り組んでいるのかお答えください。  これらのことに関連しまして、道路の陥没についてもお尋ねします。道路下の埋設管の破損は、路面下の空洞化、ひいては道路の陥没という事態を招き、重大な事故につながります。もとより水道管、下水道管などの埋設物については、それぞれの設置者が責任を持って維持管理をすべきものであります。しかしながら、道路の安全確保の観点から、道路管理者としても、このような陥没事故の発生を未然に防止するため、何らかの対策を講じることが必要だと考えます。  そこで知事に伺います。道路管理者としてどのように取り組んでいるのかお答えください。  次に、テレワークを活用した障がい者雇用の促進についてお尋ねします。雇用は、地方創生の基本であり、県民の暮らしを支える柱であります。特に障がいのある方々にとっては、自立のための第一歩として生きがいにつながっていくものです。県では、障がい者雇用に関し、これまでもさまざまに取り組まれてきました。昨年度からは、障がい者雇用施策の一環として、ICTを活用し、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークを重点的に推進されています。これまで働くことを諦めておられた障がいのある方にとっては、一つの働き方として大変有効であり、広く浸透してほしいと考えております。  私の地元柳川にも、障がいのある方の、特に一般企業への就労を目標に就職支援を懸命に取り組んでいる支援事業所があります。就職を目指している障がいのある方が、このテレワークという働き方に出会い、生き生きと働くことができれば、大きく希望が膨らみます。障がいのある方が思う存分に能力を発揮できるよう、これまでの施策をさらに充実強化していただきたいと強く感じております。  そこで知事にお尋ねします。来年度、テレワークを活用した、全国的に余り事例のない事業の予算案を計上されていますが、どのような取り組みを計画されているのか伺います。あわせて本県の障がい者雇用のさらなる促進に向け、知事の意気込みをお聞かせください。  次に、本県における働き方改革に伴う運送事業者の問題についてお尋ねします。御承知のとおり運送事業者は、国民生活と産業活動を支える公共的物流サービスの担い手として、その重要な使命を果たすべく、日夜懸命に尽力されています。また、社会との共生を図るため、輸送の安全確保を第一義として、環境対策などにも積極的に取り組んであります。  そのような中、トラック運送事業者は、平成二年の規制緩和以降、事業者数の増加に伴う過当競争によって適正運賃収受が困難な状況の中で、労働力不足も顕著となりました。また、他産業に比べて長時間労働、低賃金の状況を余儀なくされています。特に福岡を初め九州は、首都圏まで最大の遠隔地にあり、高速道路料金や燃料費などの輸送コストに加えて、ドライバーの拘束時間などの面で他の地域より厳しい経営環境にあります。さらに、改善基準告示を遵守するための課題もあります。この改善基準告示は、交通安全を確保するためにドライバーの拘束時間、休息期間、運転時間、時間外や休日労働などを規制しているもので、この告示を遵守することは重要ですが、その一方で、ドライバーの労働時間抑制の結果、得られる賃金が減少するのは深刻な問題であります。運送業界では歩合給で働くドライバーがおり、時間当たりの賃金が変わらなければ、労働時間短縮は収入減に直結します。また、さきに述べたように福岡を初め九州は、首都圏までの距離が長く、改善基準告示の枠に入り切れない地域であります。長距離輸送業者では、同基準で定める一日最大拘束時間十六時間を超えてしまうなどの課題が発生しています。  そこで知事に伺います。トラック運送事業者の働き方改革に伴うこの課題に対し、本県としてどのような支援に取り組むのか。また、その取り組みに対しての、知事の所見をお聞かせください。  さて、先日、西鉄バスの減便の報道がありました。県民の重要な交通手段でもあるこの西鉄バスにおいて、現状でバスの運転手の方が一日当たりおよそ百十人不足しており、福岡、北九州、久留米を走る路線バスのうち四十四路線と、福岡と北九州を結ぶ高速バス一路線を減便すると発表がありました。ドライバーの人材不足は特に顕著な問題であります。人材確保のためには、労働環境の改善や人材育成の支援が不可欠であります。本県の取り組みをお答えください。  次に、環境問題として、大牟田リサイクル発電事業終了に向けた対応についてお尋ねします。ごみを固形燃料化して発電を行う本事業は、平成十四年十二月のダイオキシン類規制の強化に対応することが困難な小規模市町村の支援、そして、大牟田地域の地域振興、また、ごみのサーマルリサイクルを目的として実施されてきました。しかし、三年後の令和五年三月に、固形燃料、いわゆるRDFの受け入れを終了することが決定されております。事業に参加している県内五組合と二町は、平成二十九年二月に、施設の撤去費用の負担軽減及び受け入れ終了後の令和五年四月以降のごみ処理に関する支援について、知事に対して要望書を提出するなど、事業終了に向けた撤去費用の負担や、事業終了後のごみの適正処理について大きな不安を抱いています。  そこで伺います。県は、施設の撤去費用の負担など、事業終了に向け、どのように対応しているのか。また、今後どのように取り組んでいくのかお聞きします。  次に、事業終了後の参加組合のごみ処理への県の支援について伺います。市町村にとって、ごみ処理は地域住民の安全、健康、福祉及び生活環境を保持するため不可欠であります。そのため、事業終了後のごみ処理について参加組合が不安を抱くのはもっともなことであります。  そこで知事に伺います。事業終了後の参加組合のごみ処理については、三つの処理方法が考えられます。まず一つ目は、参加組合が引き続きRDFの製造を継続する場合、二つ目は、新たなごみ焼却施設を建設する場合、三つ目は、他の市町村にごみ処理を委託する場合であります。それぞれに県としてどのような支援を考えているのかお答えください。  次に、教育問題について伺います。  まず、文化財保護法の改正に関連して伺います。昨年四月、改正文化財保護法が施行されました。改正法では、文化財の確実な継承を図るため、文化財の個別保護の観点に加え、地域全体で文化財の保存、活用に取り組んでいくことを目指しています。これにより、都道府県は文化財保存活用大綱を作成できることとされ、市町村も文化財保存活用地域計画を策定し、協議会を組織できるとされました。  そこで教育長に伺います。本県でも先代から引き継いだ文化財を後世に継承するため、文化財の保存、活用に取り組んでいく必要があります。そのため、改正法では任意であるこの文化財保存活用大綱を作成すべきと思いますが、どのようにお考えかお尋ねします。また、策定される場合、どのようなタイムスケジュールで考えているのかもあわせてお答えください。  次に、市町村にとっても任意である文化財保存活用地域計画の策定と協議会の設置についても、文化財の保存、活用の観点からは積極的に進めるべきと考えますが、本県としてどのように考えているのかお聞かせください。  次に、文化財の保存、活用を担う人材確保や育成についてもお尋ねします。先日、このような報道がありました。山梨県教育委員会が県内市町村に文化財の保存、活用に関してのアンケートをとったところ、およそ九割の自治体が人材不足と回答したということです。中には専門スキルのない職員が片手間で業務を行っているとの意見もあったそうです。文化財の保存、活用については、我が会派でもたびたび取り上げてきました。後世に文化財を残すために、何より人を育てていかなければなりません。  そこで教育長に伺います。改正文化財保護法による文化財の保存、活用を確実に実現するには、専門性の高い職員を確保、育成していくことが何よりです。特に、地域の文化財を最前線で取り扱う市町村の文化財専門職員の育成が喫緊の課題であります。県として、文化財専門職員を育成していくためにどのように取り組んでいくのかお尋ねします。  また、新たな人材の確保のためには、将来の文化財の保護を担う学生も視野に入れる必要があると考えます。近畿地区では、行政と大学の連携による文化財専門職の説明会が開催されているそうです。本県においても、大学と連携した、人材確保のための取り組みを行うべきと思いますが、教育長の御所見を伺い、この項の質問を終わります。  次に、警察問題について伺います。  まず最初に、先月着任された福田新警察本部長に、着任に当たっての抱負をお聞きします。警察本部長は、本県の治安を預かり、県民の安心、安全を担う立場にありますが、本県の情勢をどのように分析され、どう公務に取り組んでいくおつもりなのか、着任一カ月の感想も含め、力強い抱負を福岡県民に聞かせてください。  次に、青少年の犯罪被害防止について伺います。来年度から小学校でプログラミング教育が必修化されるなど、まさにネット社会到来です。インターネットは我々の社会に深く根差し、ネットに触れない日はもはやありません。つき合い方次第で薬にも毒にもなるインターネットですが、生育途上の少年が被害に巻き込まれるケースがふえています。二月六日、警察庁が発表した昨年の犯罪情勢統計によれば、刑法犯の認知件数が五年連続で戦後最少を更新する一方で、サイバー犯罪が過去最高、SNSを通じて被害に遭った少年の数も過去最多となりました。県警察によれば、SNSに起因する犯罪被害は、平成二十四年から直近の確定値が出ている三十年までで四倍近くに増加、その内訳を見ると、淫行、児童ポルノ、児童買春がほとんどで、最近は、自撮り画像を送信させられる被害も発生しています。このため県では、福岡県青少年健全育成条例を改正し、児童ポルノなどの提供を求める行為に罰則を設け禁止しました。昨年二月から施行されています。  そこで以下、青少年の被害を防止する観点から警察本部長にお尋ねします。まず、SNSに起因する被害がふえている背景をどのように分析しているのか御教示ください。また、改正条例により期待されている効果についてお答えください。  次に、被害を未然に防ぐための取り組みについて伺います。県警察では、少年がさきに述べたような被害に遭わないために、警察職員によるサイバーパトロールを行い、不適切な書き込みなどを発見した場合、メッセージで注意喚起するなどし、被害を未然に防いでいます。  そこでまず、サイバーパトロールの実施状況についてお尋ねします。また、サイバーパトロールの実施により、SNSによる被害に遭いやすい少年の特徴など、さまざまな知見が得られたと思いますが、これをどのように生かし、青少年の被害を防止していくのか、力強い御決意を伺いまして、代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 19 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 *知事答弁 20 ◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。  まず、当初予算の編成方針でございます。令和二年度当初予算におきましては、経済対策のための国の補正予算を最大限活用した令和元年度二月補正予算と一体となった十四カ月予算として編成をいたしました。  まず、豪雨災害の復旧、復興、防災、減災でありますが、これらをさらに加速をさせてまいります。本県では平成二十九年の九州北部豪雨災害以来、三年連続で災害に見舞われました。引き続き被災地の復旧、復興に全力を挙げてまいります。また、安全で安心で災害に強い福岡県、この実現に向けまして、防災、減災対策、国土強靱化の推進、防災危機管理体制の強化にそれぞれ取り組むことといたしております。  次に、今私どもは、急速に進む少子・高齢化・人口減少、AI・IoTといった最新技術による第四次産業革命の進展、そして人生百年時代の到来という三つの大きな変化に直面をいたしております。これらをしっかり受けとめ、対応していくことによりまして、県民の皆様、県内の各産業、各地域を元気にして、この福岡県をさらに前進、発展を図ってまいりたいと思います。その基本となりますのが地方創生の実現であります。本県の各地域の実情に即し、その特色を生かした施策を講ずることによりまして、誰もが住みなれたところで働き、長く元気に暮らし、安心して子供を産み育てていくこと、この三つができる地域社会づくりに取り組むことといたしております。  次に、関係人口の創出、拡大についてであります。特定の地域に継続的に多様な形でかかわる関係人口というのは、将来的な移住に向けた裾野の拡大及び地域の担い手確保につながりますことから、それが期待されますことから、その創出、拡大を図っていくことが必要であると、このように考えています。このため、本県に勤務や居住の経験のおありの方、興味、関心を持っておられる方に働きかけ、ふくおかファンクラブを創設をいたします。このファンクラブの会員に対しましては、本県と継続的な深いつながりを持っていただきますよう、市町村と連携して、移住体験に関するイベント、地域おこしにかかわる意見の募集、観光や祭りなど地元情報についてメールマガジンで定期的に発信をしてまいります。都市住民と本県の農山漁村をつなぐ中山間応援サポーターの活動を推進していき、農産物の収穫、荒廃林の整備、祭りの運営支援など、農山漁村地域活動への都市住民の皆様の参画の拡大に引き続き取り組んでまいります。  第四次産業革命への取り組み状況でございます。本県におきましては、IoT、ロボットといった先端技術を活用したスマート農業の推進、IoTや自動化技術を活用した中小企業の生産性向上などの取り組みを進めてまいりました。今後は、こうした産業分野の取り組みに加え、地域交通分野におけるAIを活用したオンデマンド交通の導入、行政分野におけるロボティクス・プロセス・オートメーション、いわゆるRPA、これらを採用した業務効率化などにも取り組んでまいります。あわせて先端技術活用に関しまして、庁内及び市町村からの相談を受ける窓口を設置いたしまして、それぞれの課題の解決に向け、この第四次産業革命の取り組みというものを推進してまいります。  次に、高齢者や中小企業等におけるICT活用に関する取り組みでございます。第四次産業革命技術の活用による恩恵を十分に受けるためには、高齢者や中小企業等におきましても、このICT機器や技術を活用できるよう支援をしていくことが重要であります。高齢者や障がい者など心身の機能に制約のおありの方でも県が提供する情報にアクセスしやすくなるように、音声読み上げ機能の導入、誰もが読みやすいユニバーサルデザインフォントでの表示など、県のホームページを改善してきたところであります。また、中小企業等に対しましては、昨年九月に、福岡県中小企業生産性向上支援センターを設置をいたしまして、アドバイザーがIoT設備の導入等に関する支援を行っているところであります。さらに、スマート農業への転換に向けまして、AI等を活用した先進的な機械の整備への支援に加えまして、新たにICTに関する相談窓口の設置、研修会の開催と、これも行ってまいります。  次に、健康寿命に対する課題と施策の方向性でございます。平成二十八年の本県の健康寿命を見てみますと、男性は七十一・四九年でございます。全国四十位、女性は七十四・六六年で、全国三十位となっております。いずれも全国平均を下回っているわけであります。人生百年時代に向けまして、この健康寿命をさらに延ばしていくためには、県民一人一人が改めて御自身の健康について考えていただく、大切にしていただいて、その維持、増進を意識しながら生活していくことが必要であります。このため、県におきましては一昨年八月に、保健医療関係団体、経済団体、大学などさまざまな団体から成るふくおか健康づくり県民会議を設置をいたしまして、広く県民運動としてこれを展開しているところであります。具体的には、健診受診率の向上、食生活の改善、運動習慣の定着、この三つの取り組みを柱といたしまして、それぞれ特定健診受診率七〇%以上、一日当たりの野菜摂取量三百五十グラム以上、一回当たり三十分以上、週二回以上の運動の実施など行動目標を設定し、さまざまな取り組みを進めているところであります。  新型コロナウイルスが観光産業に与える影響でございます。県において二月上旬に、県内商工会、商工会議所に対しまして、新型コロナウイルスによる外国人観光客の減少に伴う観光関連事業者への影響について調査を行いましたところ、約四割の団体において売り上げが減少したとの回答がございました。その後、国内イベントの中止等の動きもございまして、二月末に、日本人観光客の売り上げへの影響も含めまして、改めて調査を行いましたところ、外国人観光客の売り上げが減少したのは約四割、日本人観光客の売り上げが減少したものは約五割という回答でございました。特に、観光客が多い柳川市、朝倉市、宗像市、そして太宰府市等で影響が大きいと、そういう状況でございました。県が設置をいたしました新型コロナウイルスに関する経営相談窓口におきましては、三月四日現在、二百十九件の相談があっております。そのうち観光客の減少に伴うものが六十三件、その全てが資金繰りについての相談となっております。これらの相談に対しまして、セーフティーネット保証五号の指定業種、これに属する事業者に対しましては、県制度融資緊急経済対策資金の活用を促しております。あした、明六日から、宿泊業、飲食業など四十業種がこの指定業種に追加されますので、その支援が拡充されることになります。さらに今月二日、国からセーフティーネット保証第四号、この地域の指定を受けましたので、業種にかかわらず、売り上げ減少について市町村の認定を受けた事業者に対しましては、県独自の措置であります保証料ゼロにする資金繰り支援の強化を図ったところであります。  次に、ふくおか健康ポイントアプリについてでございます。このアプリでございますけれども、日々の歩数と目標歩数を比較でき、過去の歩数がグラフで表示をされる。体重や血圧、食生活など日々の健康情報を記録することによって過去の取り組みが一覧で表示される。地域や職場などでグループが設定でき、そのグループ内でのランキングが表示される。取り組みの内容に応じてポイントが付与される。そういった機能を有しておりまして、県民お一人お一人御自身の健康づくりの取り組みを見える化することによりまして、その取り組み意欲を高めることを狙いといたしているところであります。このアプリを活用することによりまして、多くの県民の皆様が県民運動の三つの柱であります健診受診率の向上、食生活の改善、そして、運動習慣の定着の取り組みを楽しみながら続けていただくことを期待しているところであります。  ふくおか健康ポイントアプリの利用者数の目標と達成に向けた取り組みについてお尋ねがございました。まずは、ことしの十二月末までにこのアプリを登録していただく方を十万人以上とする、このことを目標としております。この達成に向け、アプリの登録を容易にするQRコードを掲載しました「福岡県だより」の配布、新聞広告を行いましたほか、市町村、ふくおか健康づくり県民会議の構成団体、健康づくり県民運動の推進に関する連携協定の締結先企業などを通じてチラシを配布するとともに、抽せんで景品が当たるスタートアップキャンペーンを行い、県民の皆様にその登録を呼びかけてきているところであります。今後、これらに加えまして、県、市町村、各種団体などが行います健康づくり、あるいは地域おこしのイベントなどの機会を活用しまして、私どものほうから直接県民の皆様に、この健康アプリの登録について働きかけを行ってまいります。  次に、スポーツの推進の組織体制の強化であります。今議会に提案をしておりますスポーツ推進条例を着実に推進し、スポーツ立県福岡を実現していくためには、アスリートの競技力の向上、大規模スポーツ大会の誘致、開催、障がい者スポーツの推進、スポーツを活用した地域振興などに全庁を挙げて取り組んでいく必要がございます。このため、スポーツ立県福岡、これを打ち出しましたときから考えてきておりましたが、今般のスポーツ推進条例の制定、あるいは新たなスポーツ基金の創設、これを機会にスポーツ関連施策を推進する中心的な組織といたしまして、人づくり・県民生活部に新たにスポーツ企画課及びスポーツ振興課の二課体制のスポーツ局、これを設置したいと考えております。  次に、来年度の宿泊税の税収と新型コロナウイルスによる影響でございます。来年度の税収につきましては、直近の宿泊者数の推移、それぞれ課税を行う北九州市及び福岡市の情報、そして、欧米豪からの誘客など本県への宿泊者数の増加に向けたさまざまな取り組みなど総合的に勘案をいたしまして、十億五千五百万円余と、これを計上いたしております。また、システムの改修費や宿泊税を徴収していただく宿泊事業者への報償金などのいわゆる賦課徴収費、これを除いた九億二千二百万円余をこの基金に積み立てまして、新たな観光振興施策に充てることといたしております。新型コロナウイルスによる税収への影響でございますが、まずは、国内外からの観光客の今後の動向、推移について注視をしてまいりたいと、このように考えております。  次に、宿泊税の減免措置についてお尋ねがございました。宿泊税の制度設計に当たりましては、行政サービスの受益の程度は、宿泊施設の形態や宿泊料金にかかわらず同等であり、公平性を確保する必要があること、また、宿泊事業者において減免の対象に該当するか、その確認や書類提出など事務負担がふえますこと、それらを検討した結果、減免措置を設けないことといたしました。北九州市及び福岡市におきましても、同様の内容の制度設計となっております。なお、福岡県宿泊税条例には施行三年後の見直し規定を設けておりますので、施行後のさまざまな状況の変化につきましては、関係の皆様の御意見を聞いてまいりたいと、このように考えております。  次に、今議会における所信表明についてお尋ねがございました。被災地の復旧、復興を進め、被災地の皆様の生活の再建を図っていくためには、住宅再建、公共土木施設や農地、農業用施設の復旧はもとより、地域の皆様の交通手段であります日田彦山線の問題の解決は欠かせないものであると考えております。昨年の九月議会におきまして、今年度中に解決できるよう決断する旨、私自身答弁をさせていただいたところでございます。年度末が迫った今議会の所信表明におきましては、この問題の解決に向けた私の決意を改めて述べさせていただいたものであります。  この日田彦山線の問題でございますけれども、議員からは、その沿革について詳しく御説明がありましたけれども、この問題の解決に期間を要したことでございますが、平成二十九年七月、発災直後、鉄道復旧を願う地域住民の皆様の思いを受けとめまして、地元県議会の議員の皆さん、沿線の町村長とともにJR九州本社を訪ね、鉄道による早期復旧を要請しました。また、平成三十年十月には、関係自治体に呼びかけ、一緒になって、国土交通省事務次官、鉄道局長と面談をし、路線の適切な維持に向けた指導をJR九州に行うよう要請を行いました。さらに、JR九州が運行経費に係る自治体の財政支援を求めてきた際には、青柳社長と面談をし、直接早期鉄道復旧に向けた地域の思いを伝えるとともに、このことについて再考を要請したわけであります。このほか政府・与党に対する国の施策、制度、予算に対する提言、要望に当たりましても、日田彦山線の早期復旧を最重点項目の一つといたしまして、県議会とともに要望を実施をし、九州知事会を通じても同様の要望を行ってまいりました。  こうした中、昨年の四月の復旧会議におきまして、JR九州から、鉄道で復旧するには財政支援を含む一億六千万円の収支改善が必要とした上で、財政支援を前提としたこの鉄道復旧案のほか、新たにBRT、路線バスによる復旧案の提示があり、地域の意見を聞いていくことになったわけであります。その後、地域における意見交換を経まして、二月十二日の復旧会議では、鉄道復旧のためには財政支援を含む年間一億六千万円の収支改善がなぜ必要かということについて、JR九州は地元の皆様に引き続き丁寧な説明に努めること、JR九州からの新たな復旧案について、地域振興策や観光振興、利便性向上の観点から、JR九州としてブラッシュアップした上で、次回復旧会議で議論すること、三月末までに復旧会議を開催し、復旧方針の合意を目指す、これらについて今後の方針が確認されたところでございます。私といたしましては、沿線住民の皆様の思いを受けとめ、鉄道による復旧、そして地域にとって最善の方法は何かということを考えながら、これまで関係の皆さんと一緒になって、また私自身も取り組んできたわけでございますが、今日まで復旧方針の決定に至っておらず、申しわけなく思っております。引き続き具体的な方策の決定に向け、全力を挙げてまいります。  次に、東峰村、添田町の地域振興についてでございます。被災地復興のため、これまで商工業者向けの低利融資、国の小規模事業者持続化補助金の県による上乗せ補助を行うとともに、復興支援プレミアムつき地域商品券の発行の支援、旅行需要の喚起のためのふくおか応援割の販売などを行ってまいりました。また、多くの窯元が被災をされた小石原焼の復興のため、村とともに共同窯を設置するとともに、県庁ロビーでの販売会も行わさせていただきました。これらに加え、地域振興のため、添田町については、日田彦山線貸し切り列車の旅、英彦山紅葉バスツアーを実施するとともに、観光情報誌「はっち」におきまして、沿線地域の魅力を紹介し、地域外からの観光客の誘致にも取り組んできたところであります。東峰村につきましては、朝倉地域周遊バスツアーを実施をしましたほか、農家と地域住民が連携して、修学旅行などを受け入れる朝倉型グリーンツーリズムを行ってまいりました。周遊バスツアーにおきましては、昨年度までに約百四十名の方が東峰村の窯元やみそ工場などを訪れ、修学旅行の受け入れにつきましては、今年度、七校三十三名の生徒が東峰村で農業や村の生活を体験したところであります。今後もこのような取り組みを進めるとともに、添田町、東峰村の地域振興に向けた取り組みに対しまして、将来にわたって県としての息の長い支援を行っていく考えであります。  次に、沿線自治体の復旧に向けた考え方でございます。二月十二日の復旧会議におきましては、沿線各首長から復旧案に対する地元意見の報告が行われました。東峰村の澁谷村長からは、この鉄道は災害で失われたものであり、JR九州が原形復旧すべき、復旧した後に今後の運営方法は協議すべきだという、そのことが主な意見であるとの報告がございました。一方、添田町の寺西町長からは、原形復旧を求める意見と、新しい交通での地域の復旧を目指すべきとの意見の両論があり、共通して、ネットワークの確保、利便性の確保、将来的に継続できる地域が元気になる復旧、復興、これを求める意見があったとの報告がそれぞれございました。参加の首長さんは、それぞれの地域の皆様の気持ちを背負って御発言をされたものだというふうに受けとめております。私といたしましては、東峰村ではあくまでも原形復旧を求める意見が多く、一方で添田町では、JR九州が示す三つの復旧案では十分ではないもの、不十分であるものの、ネットワークの確保や将来の地域振興につながる復旧案、これを求めておられると、このように受けとめております。  県執行部が地域振興策を打診したという新聞報道でございます。日田彦山線の問題の解決に当たりましては、地域住民の皆様の生活の維持、沿線地域の振興につながるものでなければなりません。そのことから、鉄道復旧を断念するものではないと、その断りを入れた上で、住民の皆様にとって何がいいか、そういう観点で、将来の地域振興につながるような提案はないのか、JR九州からの提案も聞いてみたらどうかと、そういった趣旨で両首長と話をしたと、そういう報告を私、受けております。  BRT専用道区間についてお尋ねがございました。JR九州が提示をしておりますBRT専用道区間は、彦山駅から筑前岩屋駅間の約七・九キロメートルとなっております。添田町で二月末に行われた住民の皆様とJR九州の意見交換におきましては、行楽シーズンには道の駅周辺で渋滞が発生するので、添田駅から豊前桝田駅までは専用道区間でお願いしたい、そういった声もあったとお聞きいたしているところであります。  次に、私の決断についてでございます。二月十二日の復旧会議では、三月末までに復旧会議を開催し、復旧の方針の合意を目指すと、今後の方針が関係者の間で確認をされました。この会議を受けまして、添田町では住民の皆様とJR九州との意見交換が行われておりまして、東峰村におきましても復旧会議の結果を村民の皆様にお伝えする予定であると、このように聞いております。私といたしましては、こうした意見交換を積み重ね、その結果も踏まえまして、被災前と比べて運行本数や乗降可能な場所と数、バリアフリー化など利便性が向上するか、交通ネットワークが長く継続、維持できるか、観光や地域の振興につながるか、そういった観点から検討し、添田町、東峰村の両首長さんと協議を行った上で、年度内に復旧の方向性について決断していきたいと考えております。その上で、先ほど申し上げましたように、添田町、東峰村の地域振興に向けた取り組みに対し、将来にわたって息の長い支援を行っていく考えであります。  次に、新県立美術館でございます。まず、そのコンセプトでございます。平成二十九年の新・福岡県立美術館基本構想検討委員会報告におきましては、近年の美術や美術館の動向を踏まえまして、アートとコミュニケーションの力を生かし、ひと・まち・文化をリフレッシュするといったコンセプトが示されております。私といたしましては、美術館には文化芸術の拠点としての役割はもとより、まちづくり、地域活性化の拠点、観光の拠点としての役割も期待されている、このように考えております。このため、来年度から始める基本計画の策定の中で、基本構想委員会報告で示されたコンセプト、また、美術館に期待される役割について、有識者の意見もお聞きしながら、新しい県立美術館のコンセプトを明らかにしてまいります。  次に、現県立美術館の取り扱いでございます。日本を代表する著名な建築家であります佐藤武夫氏が設計をした現県立美術館は、九州随一の集客力を誇る天神地区に立地しておりまして、長年県民に親しまれてきた文化施設としての蓄積もあるわけであります。また、建設地選定のために設置した有識者による委員会からは、現県立美術館について、子供や高齢者、障がいのある方、若手作家など、さまざまな人々が芸術活動を行う交流の場として活用することなど意見をいただいているところであります。県といたしましては、この委員会の意見も参考に、現県立美術館の建物を今後も活用することとし、その具体的な活用方策については、新県立美術館の基本計画を策定する中で検討してまいります。  次に、福岡市美術館との協力体制についてでございます。これまで県立美術館は、福岡市美術館との間で企画展の共同開催、市内の美術館、博物館等をめぐるスタンプラリーといった共同イベントの実施、収蔵作品の相互貸借などの連携を行ってまいりました。選定委員からは、県と市の美術館が近接することにより利用者数の増加などの効果が期待できるとして、共通観覧券の発行、二つの美術館を活用した大規模美術展の開催など、具体的な連携方策について御意見をいただいております。来年度から始める新県立美術館の基本計画の策定の中で、この二つの美術館の具体的な連携方策についても福岡市と協議してまいりたいと考えております。  次に、芸術文化に対するアクセスについてお尋ねがございました。県立美術館におきましては、移動美術館展や県展の県内各地域での開催といった、県民の皆様が美術作品をじかに鑑賞できる事業というものを実施してきております。また、児童生徒に対し、県立美術館までの交通費や観覧料の補助、学芸員による作品解説を行うなど、県内各地域の子供たちが県立美術館を訪問し、作品に親しむ機会というものを提供しております。私は、県民の皆さんが、居住する地域にかかわらず文化芸術を鑑賞したり創造する機会を確保していくことが重要である、このように考えておりまして、基本計画を策定する中で具体的な取り組みを検討してまいります。  次に、NHK大河ドラマ招致についてでございます。立花宗茂公が柳川に再封されてから四百年になりますことし、より多くの県民の皆様に宗茂、ギン(もんがまえに言)千代の魅力を知っていただくため、柳川市を初めとするゆかりの地の自治体と連携をいたしまして、柳川再封四百年を記念したイベントというものを開催したいと考えております。また、統一デザインによる宗茂、ギン千代を初めとするゆかりの人物のイラスト化、また、これを用いたパンフレットなどを作成、活用いたしまして、県内各地に数多くあるゆかりの地が一体となってその周知を図っていくことによりまして、招致活動をさらに盛り上げていきたいと考えております。  農地中間管理事業を活用した担い手への農地集積についてお尋ねがございました。県におきましては、農地中間管理事業を活用いたしまして、令和三年度までに九千ヘクタールの農地を担い手に集積することといたしておりまして、三十年度までの集積面積は約六千ヘクタールとなっております。今後、年間一千ヘクタール程度の集積が必要となりますが、二十八年度の二千ヘクタールをピークに、三十年度は六百ヘクタールまで減少している状況にございます。これは、事業開始当初に面積が広くまとまった農地を中心に集積が大きく進みましたものの、現在では、面積が小さいもの、あるいは点在している農地の貸し付けが多くなってきていることが要因だと考えております。このため県におきましては、まず農地の貸し手に対しまして、国の助成対象である二ヘクタール以上の貸し付けに加え、来年度から新たに県独自の支援策として、一ヘクタール以上の貸し付けに対しましても助成金を交付することといたしております。また、次に、受け手となります担い手、そちらのほうに対しましても、規模拡大に伴い、新たに発生する雇用の労賃などに充当できるよう助成金を交付し、農地の集積を両サイドから進めていきたいと考えております。さらに、担い手のいない地域におきまして、近隣の担い手が農地を借り受け、規模拡大を図る場合には、必要となる機械の導入についても、国の交付金に県として上乗せをして支援をしてまいります。  次に、親元で就農する後継者に対する支援であります。県におきましては、農業大学校において、講義や実習を通じまして二年間で就農に必要な知識や技術を習得する養成科と、また、栽培管理や直売などの実習を通じまして一年間で実践的な技術を習得する研修科、これを設置いたしておりまして、後継者の希望と、また経験に応じて受講できるようにしているところであります。また、今年度からは、主体的に経営に参画できるよう、ふくおか農業経営アカデミー、これを開設をいたしまして、財務や労務管理などの基礎知識を学んでいただき、経営確立に向けた計画を策定する講座、これも実施をしております。さらに、後継者の就農を契機といたしまして、規模の拡大や新規作物を導入する農家に対しまして、高収益型園芸事業などによりまして、必要な機械、施設の導入を支援しているところでございます。県といたしましては、こうした取り組みによりまして、親元で就農される後継者の確保に努めるとともに、その経営の自立というものを支援してまいります。  次に、農作業における事故防止についてお尋ねがございました。本県における農作業死亡事故の発生件数を見ますと、平成二十九年までの五年間平均で、年間十三・四件となってございます。このうち六十五歳以上の方の割合が九割と高うございまして、また、機械作業中の事故が六割となっているところであります。県におきましては、JAや農機販売業者などと連携をいたしまして、農作業安全連絡協議会を設置をし、事故が多発する春と秋、いわゆる農繁期を農作業安全月間と定めまして、その事故防止に向けた取り組みを実施しているところであります。具体的に申し上げますと、死亡事故の多くがトラクターやコンバインの転倒、転落によりますことから、市町村、JAの窓口へポスターの掲示、個別農家へのチラシの配付などによりまして、作業時のシートベルト着用、傾斜地での転倒防止などについて注意喚起を行っているところであります。また、農作業安全研修会、これを開催するとともに、JAが行う農業安全セミナーに職員を派遣をいたしまして、実際に起こった事故の解説、また、それを防止するための機械の安全な操作方法などにつきまして指導を行っているところであります。今後ともあらゆる機会を通じ、農作業事故に対する安全対策の周知徹底をしてまいります。  次に、有明海のノリの養殖でございます。ノリの養殖の生産を安定させていくためには、海の環境やノリの状況、状態を把握して、その状況に応じた適切な養殖管理を行うことが重要でございます。このため県におきましては、漁場に設置した自動観測装置で水温、潮位などを三十分間隔で観測をいたしまして、その情報を県のホームページで提供しているところであります。しかし、近年、豪雨や高温などの影響によりまして、漁場環境の変化も非常に大きくなってきております。特に水深が浅く、干満の差の大きい有明海におきましては、その影響を受けやすい、そういう状況にございますことから、よりきめ細かな漁場の情報に加えまして、作業性を左右する気象情報など多様な情報が必要となっております。このため県におきましては、来年度から、水温や潮位などの漁場の情報提供を、これまで三十分だったんですが、十分間隔に短縮することに加えまして、気象台の風向、風速などの予報、有明海研究所が持っておりますノリの生育や病害の情報について、漁業者の方がスマートフォン等で一括して把握できるシステムを導入いたします。今後とも、高品質な福岡有明のりを安定的に生産できるよう、スマート化の取り組みを進めてまいります。  次に、近年の降雨状況に対する本県の治水対策でございます。県におきましては、近年の降雨や浸水被害の状況などを踏まえまして、計画的に河川の改修を進めております。また、ハード対策に加えまして、災害時の避難行動や水防活動が適切に実施できるよう、河川の水位情報の提供といったソフト対策にも取り組んできているところであります。さらに、平成三十年七月の西日本豪雨などを受けまして、国が策定した防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、その予算を活用いたしまして、河道掘削、樹木伐採など緊急的な対策を推進しているところであります。今後ともハードとソフト両面から総合的に治水対策というものを実施をし、災害に強い県土づくりに努めてまいります。  次に、防災重点ため池の防災、減災対策でございます。県におきましては、これまで市町村や地元と協議をした上で、緊急性の高いものから計画的なその整備を行ってきたところであります。また、昨年度、市町村との連携のもと、下流に人家や公共施設があるため池について緊急点検を実施をし、必要な応急措置が完了しているところであります。さらに、今年度は決壊した場合を想定した浸水想定区域図やハザードマップの作成、公表に取り組んでいるところであります。加えて来年度から、新たにため池の管理保全にかかわる支援センターを設置し、市町村などを対象に補修方法などの適正管理に向けた助言や研修会を行うことといたしております。あわせてため池の改修を加速するため、市町村が行う工事について、国の補助金に県として上乗せをして支援をすることといたしております。県といたしましては、このような対策を総合的に進めることによりまして、防災重点ため池の防災、減災対策の強化に努めてまいります。  次に、有明海沿岸、豊前豊後沿岸の高潮浸水想定でございます。高潮浸水想定区域の検討を行うに当たりまして、国が示した指針によりますと、台風の規模は、日本に接近した台風のうち最大の台風を基本とする。台風の経路や速度は、各沿岸で潮位が最大となるよう設定する。基本となる潮位は、朔望平均満潮位に過去に生じた異常潮位の平均値を加える。また、河川の流量、堤防の決壊も考慮するといった最悪の条件を設定することになっておりまして、今回の二沿岸につきましても、これを踏まえて作成をし、昨年の十二月に、想定される浸水区域、水深及び浸水継続時間というものを公表いたしたところであります。今回の公表で、平成三十年に公表しております玄界灘沿岸とあわせまして、県内全ての沿岸における高潮浸水想定区域の公表が完了いたしました。  有明海沿岸、豊前豊後沿岸の高潮ハザードマップでございます。県におきましては、昨年十二月の高潮浸水想定区域の公表に先立ちまして、関係する十七の市町に対し説明会を行うとともに、公表後も各市町の個別の質問に答える形で、浸水想定の考え方、また先進事例の紹介など、ハザードマップの作成の支援を行ってきております。その結果、現在、苅田町、大木町、二つの町においてハザードマップの作成が進められており、来年度は、十一の自治体において作成が予定されております。引き続き残る四自治体につきましても、早期のハザードマップ作成に向けて、情報提供や技術的な支援を行ってまいります。  次に、水道管の老朽化の状況と県の支援についてでございます。本県におきましては、法定耐用年数を超えた老朽管の割合は年々ふえてきております。平成三十年三月末時点で一九・三%となっております。県といたしましては、この老朽化施設の更新を促進していくため、水道事業者に対し、経営計画の策定などについて助言をするとともに、国の交付金を活用した財政支援を行っているところであります。  下水道管の老朽化でございます。県におきましては、御笠川那珂川流域を初め、八つの流域で下水道事業を実施しており、その全延長は、平成三十年度末時点で約二百八キロメートルとなっております。そのうち下水道の標準耐用年数とされております五十年を超過しているものは、現在のところありません。県の流域下水道事業におきましては、国が示した下水道維持管理指針に従い、流域ごとに維持管理計画を策定しておりまして、この計画に基づき、下水道管の定期的な点検、調査と必要な修繕、更新工事を実施してきているところであります。一方、公共下水道事業につきましては、県内四十七の市町において実施をされておりまして、これらの下水道管の全延長は、平成三十年度末時点で約二万三百二十七キロメートルとなっております。そのうち、先ほど申し上げました五十年を経過しているものは約五百三十九キロメートルで、総延長の約三%となっているところであります。これら公共下水道事業におきましても、県の流域下水道事業と同様に、各市町が維持管理計画に基づき、定期的な点検、調査及び必要な修繕、更新工事を実施してきているところであります。県といたしましては、今後とも流域下水道における下水道管の老朽化対策を適切に実施するとともに、公共下水道事業を行っております市町に対しまして、情報提供と助言を行ってまいります。  道路の陥没事故についてお尋ねがございました。道路の陥没事故は、車両被害や人的被害、道路の通行どめなど、日常生活や社会活動に大きな影響を及ぼします。そのために未然に防止する対策を講じることが必要であります。このため、県が管理しております道路約三千五百キロメートルのうち、緊急輸送道路、古い埋設管のある道路など千八百八十一キロメートルを対象に、平成二十五年度から路面下空洞調査、これを実施をし、七百五十八カ所の空洞を発見し、補修工事全て完了したところであります。今後とも、安全、安心な道路交通の確保のため、必要な箇所の路面下空洞調査を実施してまいります。
     次に、テレワークを活用した新たな取り組みについてでございます。テレワークによる障がい者雇用を進めるに当たりましては、ICT環境の整備、テレワークに適した業務の切り出し、労務管理制度の見直しなどが必要となります。企業にとりましては、これらの課題を自社内で解決することが大きな負担となっております。このため、ほかに例がないかもしれませんが、県におきましては、テレワークに新たに取り組む企業が低額で利用できる障がい者向けの共同利用型オフィス、これを開設したいと考えております。この施設を利用する企業に対しまして、コーディネーターがテレワークに適した業務の切り出しについて助言を行うほか、業務のマニュアル化や資料の電子化等を提案をしてまいります。さらに、この施設に支援員を常駐させまして、障がいのある方に対して、その障がいの特性に応じたきめ細かな御支援を行ってまいります。  次に、本県における障がい者雇用の促進についてでございます。県におきましては、これまで県内十三カ所の障害者就業・生活支援センターにおける就業及び生活面での一体的できめ細かな支援のほか、特別支援学校高等部の生徒が日ごろ学習をしております知識や技能を、企業の人事担当者に披露をする技能見学会を実施してまいりました。これらの取り組みに加えまして、先ほどお答えしましたとおり、来年度は、全国に先駆けて、共同利用型オフィスを活用した障がい者のテレワーク雇用に取り組みます。それとともに、今年度実施をしております在宅型のテレワークモデル事業における雇用の実例、これを取りまとめ、企業向けに周知、啓発を行ってまいりたいと考えております。また、精神障がいのある求職者が増加しておりますことから、求職者、それと企業、双方を対象とした新たなセミナーやワークショップを実施してまいります。こうした取り組みを通じまして、一人でも多くの障がいをお持ちの方が生きがいを持って働き続けることができるよう、なお一層取り組みを進めてまいります。  次に、トラック運送事業者の課題に対する支援でございます。トラック運送業界では、ドライバー不足の深刻化や人件費の上昇といった課題を抱えておられます。加えて、労働基準法におけるドライバーに対する時間外労働の上限規制が令和六年度から適用されます。これらに対応するため、業界を挙げて生産性の向上や経営の改善に取り組んでおられます。こうした中にありまして、福岡県トラック協会におきましては、ITを活用した仕分けシステムの構築など、輸送を効率化するための設備の導入について支援をし、また、事業連携やコスト削減など経営改善を図るためのセミナーなどを行っておられます。県におきましては、こうした協会の取り組みに対し助成を行っておりますほか、個々の事業者に対しましても、商工会議所、商工会における窓口相談や地域中小企業支援協議会による経営革新計画の策定の支援、生産性向上支援センターによる生産性向上の支援など行っているところでございます。今後ともトラック運送事業者が抱える課題の解決、これを支援をし、その経営の安定を図ってまいります。  次に、ドライバーの人材確保でございます。本県における自動車運転の職業の有効求人倍率は、本年一月現在で二・八二倍となっておりまして、ドライバーは人材不足の状況にございます。このような中、必要な人材を確保していくためには、まず、労働者に選ばれる働きやすい職場づくりというものが重要になります。このため県におきましては、企業が働き方改革を宣言、実行するよかばい・かえるばいキャンペーン、また、多様な働き方が可能となる勤務制度の導入など、具体的な取り組み方法を助言するアドバイザーの派遣などを行っているところであります。このほか企業の人材育成を支援するため、国の助成金制度、県内企業の取り組み事例、セミナー等についての情報について、県のホームページやガイドブックによって周知を図っているところであります。さらに、来年度からは、特に人材不足の産業分野を中心に、県内四地域で、魅力ある職場づくりに向けた実践的な研修を実施していきたいと考えております。こうした取り組みを通じまして、県内企業におけるドライバーの人材確保を支援をしてまいります。  次に、大牟田リサイクル発電についてお尋ねがございました。県におきましては、これまで施設の撤去費用の負担などの問題につきまして、参加組合、関係市町、電源開発などの関係者と協議を行ってまいりました。現在、撤去費用の詳細な見積もりを行っているところでございまして、その費用が明らかになります来年度から、費用の負担の協議を行うことといたしております。一方で、事業に参加をしております県内の五つの組合からは、負担の軽減を求める御要望もいただいているところでございます。今後、こうした組合の御意向も踏まえて協議を行い、施設の撤去費用の負担額などについて決定をしてまいります。  次に、令和五年度以降の参加組合のごみ処理についてお尋ねがございました。県といたしましては、参加組合が三つ、三通りあるとおっしゃいましたが、その初めに、RDFの製造を継続する場合、その処理委託先を確保する必要がございますために、RDFの受け入れが可能な複数のセメント事業者と協議を行っているところであります。現在、事業者から示された数量や料金などについての情報を組合側に提供しておりまして、引き続き必要な協議、情報提供を行ってまいります。また、残る二つでございます。参加組合がみずからごみ処理施設を新設をする、また、他の市町村へ処理を委託をする、この二つの場合には、処理体制の広域化などによる効率的なごみ処理、その観点も踏まえまして、新たな施設の整備計画策定に対する技術的な助言や再処理委託先の市町村との調整の支援というものを行ってまいります。また、ごみ処理施設の整備のための補助金を確保するため、国に要望を行ってまいります。今後とも、令和五年度以降の組合のごみ処理に支障が生ずることがないよう、こうした支援を行ってまいります。 21 ◯副議長(原中 誠志君) 城戸教育長。 *教育長答弁 22 ◯教育長(城戸 秀明君)登壇 文化財保存活用大綱の策定とタイムスケジュールについてでございます。県教育委員会といたしましては、改正法にうたわれております大綱は、県における文化財の保存、活用の基本的な方向性や方針を明確化するために策定すべきものと考えておりまして、昨年七月に、福岡県文化財保護審議会に、福岡県におけるこれからの文化財保護行政の在り方について諮問をいたしました。現在、来年度中の策定を目指し、各般の課題について鋭意御審議をいただいているところでございます。  市町村の文化財保存活用地域計画の策定と協議会の設置に関する認識についてでございます。地域計画は、市町村の文化財の保存、活用についての計画的取り組みを示すものであり、県の大綱を勘案して策定されることが望ましいと認識しております。また、その作成や実施に当たりましては、協議会を設置するなど、多様な関係者の意見聴取を行うことが必要であると考えております。  文化財専門職員の育成のための取り組みについてでございます。本県の文化財専門職員の体制については、従前から各市町村に対して配置を依頼し、全国でも高い配置率となっておりまして、比較的充実していると考えております。市町村専門職員の育成については、文化財にかかわる最新の知識や技術の習得を目的とした研修会を実施しております。特に近年は、文化財の専門分野の多様化に合わせて外部講師を招聘したり、機器等を整備している九州歴史資料館において実施したりするなど、研修内容の充実を図っております。  大学と連携した人材確保のための取り組みについてでございます。本県では平成二十八年度に、文化庁と大学が連携して埋蔵文化財保護行政説明会が開催されましたが、今後は、こうした一般的な説明会だけではなく、実務的な経験を積むことが重要であると考えております。このため九州歴史資料館では、大学の博物館実習生を受け入れておりまして、史跡の発掘調査、美術工芸品や文書等の取り扱いなど、現場に即した専門的業務を学ぶ実習を行っております。今後も引き続き、大学と連携して文化財の専門的業務を理解し、経験するための機会をつくってまいります。 23 ◯副議長(原中 誠志君) 福田警察本部長。 *警察本部長答弁 24 ◯警察本部長(福田 正信君)登壇 最初に、警察本部長としての抱負についてお尋ねがありました。福岡県の刑法犯認知件数は年々減少し、昨年は、平成十四年のピーク時に比べると約八〇%減少しており、また、県警察の三大重点目標である暴力団の壊滅、飲酒運転の撲滅、性犯罪の根絶についても、これまでのさまざまな対策により一定の成果が見られるところであります。これらの成果は、いずれも県民の皆様や関係機関との強い連携による取り組みが功を奏しているものと認識しております。本年も県警察では、運営指針に県民の安全、安心の確保を掲げ、事件、事故に対する迅速、的確な対応はもとより、被害の未然防止を図り、安全で安心な暮らしを願う県民の皆様の期待に応えていくこととしております。警察本部長として、引き続き県民の皆様方や関係機関との連携をさらに強め、暴力団の壊滅を初めとするさまざまな治安課題に対してあらゆる警察活動を強力に推進していく決意であります。  次に、青少年の犯罪被害防止についてお尋ねがありました。本県におけるSNSに起因する被害児童数は、近年、全国の傾向と同様に急増し、令和元年中の被害児童数は百二十人となっております。罪種別では、議員御指摘のとおり、福岡県青少年健全育成条例の淫行、児童買春・児童ポルノ禁止法の児童買春及び児童ポルノの三種類で九割以上を占めている現状であります。この被害の増加は、児童へのスマートフォンやSNSの普及が急速に進み、児童がインターネットの危険性を理解しないままに、SNSを通じて不特定多数の者とつながりを持つようになったことが大きな要因であると分析しております。このようなことから県警察では、被害防止のため、学校と連携した情報モラル教育などを推進するとともに、児童買春など児童の心身に有害な影響を及ぼす福祉犯の徹底した取り締まりに力を入れているところであります。しかしながら、これまでいわゆる自画撮り被害については、児童買春・児童ポルノ禁止法の未遂罪の規定がなく、現行法令では自画撮り被害の未然防止を図るには十分でない状況がありました。昨年施行されました改正条例により、青少年を言葉巧みにだましたりおどすなどして画像等を要求する行為自体が規制対象となったことで、犯行を企図するものに対する抑止と自画撮り被害の未然防止の効果が期待されるところであります。  最後に、サイバーパトロールの実施状況等についてお答えいたします。県警察では、警察職員がインターネット上を検索して、援助交際を求めるなど児童の性被害につながるおそれがある不適切な書き込みを発見するためのサイバーパトロールを実施しており、これにより、令和元年中は少年三百八人を補導しております。補導した少年の特徴は、約六割を中高生が占め、動機も金銭欲しさがほとんどであり、見知らぬ異性と会うことに抵抗や危険性を感じず、気軽に援助交際を求める少年がいます。一方で、家庭や学校に居場所がない、社会から疎外感を感じて誰かに優しくしてほしい、依存したいという心の寂しさから見知らぬ異性を求める書き込みをする少年もいます。このような現状を踏まえ、県警察では、広範囲にSNSサイトを中心としたサイバーパトロールを展開し、援助交際等に発展する可能性が高い不適切な書き込みを発見した場合には、県警察の公式アカウントから不適切な書き込みをした少年と少年の性被害を誘引する者に対して注意喚起文を送信し、被害の未然防止を図っています。さらに、書き込みの内容から重大な犯罪や悪質性の高い犯罪に巻き込まれる可能性のある少年に対しては、実際に会って補導、保護を行うとともに、その少年や家庭に支援が必要と判断した場合は、児童相談所等の関係機関と連携した対応を実施しております。そのほか広く県民に対して、教育委員会等と連携して制作したネット非行、被害防止DVD教材を活用した情報モラル教育や、通信事業者と協同したフィルタリングの促進及びインターネットの安全利用教室などを実施しているところです。県警察といたしましては、次世代を担う少年一人一人が心身に有害な影響を受けることなく健やかに成長できるよう、引き続きサイバーパトロールを初め、関係機関等と連携した対策を推進し、SNSに起因する児童の犯罪被害防止に努めてまいる所存であります。 25 ◯副議長(原中 誠志君) 椛島徳博君。 26 ◯三十番(椛島 徳博君)登壇 答弁をいただきましたけども、幾つか再質問をさせていただきたいと思います。  JR日田彦山線の復旧問題について再質問をさせていただきます。まず、東峰村の住民の皆さんに対して、知事御自身が説明をされるのでしょうかという先ほどの質問についてはお答えがありませんでしたので、再度答弁をお願いしたいと思います。  それから、東峰村と添田町の間で復旧をめぐる温度差が出ていることについて、このことについてでありますけども、質問は、なぜ隣接している村と町で復旧への温度差が出てきたのか、それをどう分析されているのかということについてお尋ねをしました。知事からは、東峰村と添田町、それぞれの意見を受けとめているというだけの答弁でした。もしかしたら、もしかしたら、知事や執行部の方々は、東峰村、添田町の住民の方々の暮らしの様子や生活の実態を知らない、いやわかっていないのではないでしょうかと言わざるを得ません。  我が会派の中で、いろいろこのことについて議論はいたしました。要すれば、東峰村と添田町での温度差が出てきているのは、不通区間となっている添田─夜明間の不通区間を利用している住民の皆さんの通学、通院、あるいは買い物などの生活圏が影響していると私たちは考えております。つまり、添田町の利用者の生活圏は、日田方面に行くことは余りなく、田川、小倉、飯塚への利用者が大多数であります。日田方面へのアクセスはほとんど頭になく、現在、終点となっている添田駅での乗り継ぎの利便性が向上すれば、停留所もふえるBRTのほうが鉄道よりもよいのではないかと、そういうふうに思うのは当然のことであります。一方、全区間が不通区間となっている東峰村の住民の皆さん、その皆さんの生活圏は、日田方面、朝倉、うきは方面ですから、田川への利用は少なく、夜明駅方面に行くそのアクセスが重要となります。したがって、田川方面への利用者が多い添田町とは全くと言っていいほど東峰村の状況とは異なります。東峰村と添田町では温度差が出てくるのは、このような理由から当然のことであります。  小川知事は、こうした地域の実態をわからず、被災した沿線自治体を一くくりにし、地域間の感情の混乱を招いたその政治的判断は非常に重たいものだと考えております。ここはまず、村全体が不通区間となり、村民の生活にとって死活問題となっている東峰村の意見を最優先に考えなければならないと考えます。このことについて知事の所見をお尋ねします。  また、東峰村住民の意に反して、知事がBRTという結論を出した場合、あるいはJR九州が鉄道による復旧を断念した場合、東峰村の住民の皆さんにとって果たして幸せな生活が来るでしょうか。BRTという結果になった場合、東峰村の皆さんにとって、それが県民幸福度日本一であると知事はお考えなのか、そのことについてもお尋ねをし、質問を終わります。(拍手) 27 ◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。 28 ◯知事(小川 洋君)登壇 三点、お答えをしたいと思います。  私自身、復旧の方向性、これを決断するに当たりましては、村民の皆様の代表であります東峰村の澁谷村長とこの方向性、そしてまた、当地域の具体的な振興策について協議を行いたいと、このように思っております。  そして、その地域間の温度差、その背景についてお尋ねがございました。この問題の解決に当たりましては、東峰村、今おっしゃいましたような状況、それから御意見、これはしっかり受けとめる必要があると思いますが、同様に添田町の置かれている状況、現状、そして、その意見についてもしっかり受けとめる必要があると私自身考えておりまして、それらも踏まえまして総合的に検討し、知事としての決断をしていきたいと思っております。  その決断の結果がどうなるかということでございますけれども、私としましては、被災前と比べて運行本数や乗降可能な場所と数、バリアフリー化といった住民の皆様の生活の利便性が被災前と比べて向上するのか、その交通ネットワークがこれから長く維持、継続できるか、観光や地域の振興につながっていくのか、そういった観点から、村民の皆様にとって最善の方法は何かということを検討し、東峰村村長と協議を行った上で、その復旧の方向性というものについて決断をさせていただきたいと、このように思っております。 29 ◯副議長(原中 誠志君) 以上で代表質問を終わります。  本日はこれをもって散会いたします。           午 後 四 時  十 分  散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...